《タワマンvs.地元住民》「神様のいる土地を汚さないで」…松江市のタワマン計画に温厚な住民が「ブチギレ」
「神様が集まるこの地を、これ以上汚すな」
文豪・小泉八雲も愛した松江市の美しい景観が壊れてしまうかもしれない不安と怒りを市民が抱えていることがよくわかる。加えて、すでに京阪電鉄不動産は、地元テレビ局でこのマンションのCMを流すなど、メディアを使った宣伝活動に余念がない。広告費をもらっているからか、地元メディアは、こうした反対運動を半ば黙殺している状態だ。 建設をめぐるトラブルについて京阪電鉄不動産に見解を求めたが、期日までに回答はなかった。 建設予定地の近くでカフェを営む地元住民は、本誌記者にこう嘆く。 「島根県民は温厚な人が多く、反対運動みたいなことをするのが苦手なんです。県民性を見越したような業者のやり口には腹が立ちます。神様が集まるこの地をこれ以上、汚さないでほしいです……」 寺本さんは今後の反対運動について、このように説明する。 「松江市民の中には、反対運動に参加していると、周囲から白い目で見られる、反対の声をあげたところで、すでに決定していることなので、時間と労力のムダだという人たちもいます。でも、それでは相手の思うつぼです。事業者のあまりに利己的で場当たり的なマンション建設に対して、わたしたちは、今後もフォーラムの開催や意見広告の再掲載、建設現場での座り込みによる抗議活動などを予定しています。『楽しく・元気に・諦めない』をモットーに息長く、反対運動を続ける所存です」 「そこに住む人」と「その周りに暮らす人」に天と地ほどの感情の差を生む。これもまた、タワマンの現実なのだ。 「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より 【つづきを読む】『「大地震が起きたとき、タワマンはいったいどうなるのか。それを考えると……」神戸市長がタワマン規制に乗り出したもうひとつの理由』
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)