アーモンドアイ〝顕彰馬投票〟で落選 藤沢和雄調教師が引退【JRA上半期重大ニュース(中)】
早いもので今月から中央競馬も後半戦に突入。3日のGⅢ・CBC賞では、3歳牝馬テイエムスパーダとコンビを組んだ新人騎手の今村聖奈(18=栗東・寺島)が重賞初騎乗初制覇の偉業を日本レコードのおまけ付きで成し遂げた。毎週、激しいレースが繰り広げられるのが競馬界の常。下半期の競馬を楽しみ尽くすためにも、2022年上半期に起こった重大トピックスを独自にまとめた(全3回中第2回)。
顕彰馬記者投票でアーモンドアイ落選
6月7日に2022年度顕彰馬の記者投票結果が発表され、GⅠ9勝の歴史的名牝アーモンドアイが落選。まさかの結果にトレセンやファンを巻き込んで大きな波紋を呼んだ。 アーモンドアイは今年から顕彰馬の選考対象となり、選出はほぼ確実と見られていたが、JRAから発表されたのは「選定馬なし」。キングカメハメハと並ぶ144票止まりで、投票者数202人の4分の3以上(152票)に8票届かなかった。 おそらく来年は選定されるだろうが、それもまたおかしな話。選出のシステム、記者の意識などを見直すきっかけとなりそうなひと騒動となった。
藤沢和雄調教師が引退
JRA史上2位の1570勝をマークするなど数々の大記録を樹立した伯楽・藤沢和雄調教師(70)が2月いっぱいで引退を迎えた。 34年間の調教師生活で1570勝。うちGⅠはシンコウラブリイ、シンボリクリスエス、レイデオロらでJRA・GⅠ34勝を挙げ、海外GⅠ(ジャック・ル・マロワ賞)もタイキシャトルで制覇。速い時計を出さない馬なり主体の調整など新たなスタイルを確立し、多くの財産を競馬界に残した。 引退直後の3月1日にはJRAとアドバイザリー契約を結んだことが発表された。また、6月7日には2022年度顕彰者に選出された。
日本馬が海外で大暴れ
日本馬の海外での勝利も日常茶飯事となっているが、今年の上半期も海外での活躍が目立った。 現地時間2月26日にサウジアラビア・キングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジC諸競走。メインのサウジCでは敗れたものの、GⅢネオムターフC(芝2100メートル)=オーソリティ(牡5・木村)、GⅢ1351ターフスプリント(芝1351メートル)=ソングライン(牝4・林)らが計4勝。しかも、すべてルメール鞍上だった。 さらに、現地時間3月26日のドバイWCデー(ドバイ・メイダン競馬場)はサウジを上回る〝日本馬デー〟となった。総勢22頭が参戦してなんと5勝。GⅠドバイターフ(芝1800メートル)で同着Vのパンサラッサ(牡5・矢作)、日本ダービー馬として史上初めて海外GⅠを制したシャフリヤール(=GⅠシーマクラシック)など印象的な勝利もあり、日本馬のレベルの高さを改めて証明する結果となった。 また、勝利こそ挙げられてないが、シャフリヤールが英アスコット競馬場のGⅠプリンスオブウェールズSに挑むなど、世界各地へのチャレンジが続いている。秋にはタイトルホルダーやドウデュースによる凱旋門賞挑戦も控えており、ワールドワイドな活躍を見せる日本勢の悲願達成なるか注目だ。
柴田善臣がJRA騎手としては初の黄綬褒章を受章
JRA最年長ジョッキー・柴田善臣(55=美浦・フリー)が令和4年春の褒章で黄綬褒章を受章した。 同騎手は中央競馬の発展、畜産業の振興への貢献が認められ、JRA所属騎手としては初の受章(地方では大井の帝王こと的場文男騎手が受章)となった。 4月28日の受章発表時点ではリハビリ(頸椎椎間板ヘルニア)で戦線離脱中だった柴田善は5月22日に実戦復帰。同日の最終レース終了後に受章記念セレモニーが行われ、「大変な名誉です」と喜びを語った。
東スポ競馬編集部