カルディからも変わり種のスプレッドが続々登場!「パンのお供」はなぜ人気?
変わり種のスプレッド、カルディが火付け役に
おもしろ食品といえば、カルディーコーヒーファームがある。しばしば食の流行の発信源にもなるこのチェーン店にも行ってみた。すると、パンのお供コーナーには、従来のジャムなどと異なる商品もずらり並んでいた。りんごバター、コーヒークリーム、クッキーナッツなど、ありそうでなかったお供もあれば、塗るだけでクイニーアマン風になる、いちごミルフィーユ、カレーパンやメロンパン風になるスプレッドまであった。 フレーバーつきバターと言える「黒トリュフ入り十勝バター」はまだ想像の範囲だが、その延長線上にカレーパンもどきなど、なんちゃって総菜パン・菓子パンが楽しめるカルディーコーヒーファームの商品群がある。パンのお供がなぜ進化したのかを考えるうえで、重要なのは「椎茸タプナード」や道の駅の商品群である。 総務省の家計調査で、パンの消費金額がコメを抜いたのは2011年。コメの消費量は1962年以降ずっと減り続けているが、いよいよパン食がご飯食よりメジャーになったのではないか、と思わせたのがこの結果だった。パンの消費は必ずしも主食用とは言えず、コメは贈答による市場外流通もあるので、パンを主食にする人が多数派になったとは言い切れないが、ご飯のお供やおかずの食材が、このままでは売れにくくなる、と現場の人たちが危機感を持つのは当然だろう。そこで開発されたのが、地方色豊かなパンのお供たち、と言える。 そうしたスプレッドが受け入れられるのは、例えばバゲットの上に刻んだトマトなどを載せるブルスケットといった外国料理のアレンジにも親しんだ人が増え、パンには何でも載せられる、と思うほど、日本人の発想が広がったからかもしれない。 昭和までは、ご飯の供、またはおかずとして愛されていた食材・食品が、今後はパンのお供や洋食に使うスプレッドになっていくのか。私たちの食文化の行く末は、より多彩で豊かな方向なのか、それともますます迷走して訳が分からない世界へ行ってしまうのか。私自身の日常はパンのお供はジャムとはちみつ、ご飯の供は漬物や佃煮、の保守路線を維持しそうだが、その食習慣がやがて昭和の化石となる日は近い⁉