防衛日報電子版に連載へ 永遠の図書室 堀口理沙さん 「昭和史の魅力伝えたい」 館山(千葉県)
館山市北条の戦争関連の書籍や手記を所蔵する「永遠の図書室」が、自衛隊の広報誌「防衛日報」電子版で、記事を連載することになった。同所の蔵書をコーナーごとに解説する内容で、28日に第1話を公開。執筆は店長の堀口理沙さん(26)が担当する。
同所は、物件を購入したVMV合同会社(漆原秀代表)が、建物の元オーナーで陸軍大尉、故・飯塚浩さんが残した書籍や手記を基に、「戦争経験者が減る中、記憶を絶やしてはならない」との思いで、昨年3月24日にオープン。約3500点の書籍や手記、軍装品が並び、時間制の入場料とサポーター制度で運営している。
全国でも珍しい戦争に関する私設図書館として、昨年12月にNHKの「おはよう日本」で放送されるなど注目を受け、年明けに防衛日報社から依頼があって連載企画に取り組むことになった。
店長の堀口さんは南房総市千倉地区出身で、高校時代にアニメで戦前・戦中の時代に関心を持ち、同所オープン後、利用者として通った。代表の漆原さんから声が掛かり、昨年7月から同社の社員として、他の業務を兼ねながら同所の管理を担当している。
蔵書検索のため3000冊以上の書籍のタイトルなどをデータ入力する作業で、「当時の人が残した文章に触れ、歴史を身近に感じた」という。若い世代の女性が店番をすることで、地元の中学、高校生だけでなく小学生も立ち寄るようになったという。
記事の連載を担当し、「どこから手を付けてよいか分からない人に、昭和史に関心を持つきっかけになれたら」と堀口さん。出来事や戦地、人物など40種類のコーナーを紹介する内容で、毎週木曜日に更新するという。
同所は、郵送による蔵書の貸し出しサービスを開始しており、2月3日までの期間で、サポーターを募るクラウドファンディングにも挑戦。また、戦争関連品の寄贈も受け付けている。
営業時間は、午後1時~4時(土日祝日は5時)で、月・火曜は休館。問い合わせは、永遠の図書室(0470―29―7982)へ。
房日新聞