「◇◇商事 ブラック」「◆◆ラーメン まずい」 検索エンジンに“サジェスト”される「悪意なき誹謗中傷」の深刻被害
汚染にどう対処するのか
サジェスト汚染の相談を企業や個人から受けた場合、同協会はその被害者に対し、検索エンジンへの削除申請支援などを行う。ちなみに、削除申請は個人でも可能だ。 また、被害者が早期の対応を希望した場合は、弁護士と連携し、法的措置を取ることも検討しているという。 「われわれが対応する主な対象は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンですが、場合によってはSNSプラットフォームや口コミサイトでのサジェスト汚染に近い現象にも対応しています。 サジェスト汚染は検索エンジンが主な発生源ですが、関連する問題が他のプラットフォームで拡散することもあるため、必要に応じて包括的な対策を講じます」(石井氏) SNSでの誹謗中傷に比べ、“発信源”に悪意がなく発生してしまうサジェスト汚染。この点は、トラブル解消のうえで、どちらかといえばプラスに作用しているという。 「悪質性の観点では、SNSの誹謗中傷が明確な意図を伴うことが多い一方で、サジェスト汚染は技術的な問題が主因となり、悪意がない場合も多いです。そのため、検索エンジン側に非を責めた場合、反応は比較的穏やかであり、誠実な対応を得られるケースもあります。 ただし、改善には時間を要する場合が多く、迅速な解決が難しいことが課題です」(石井氏) 言論空間として、インターネットが浸透したことで、誰もが発信できる場ができた。一方で、人起源でない思わぬネガティブ要素も生まれ、ネット上は「自分だけは関係ない」は通用しない、無防備で安住するには困難な場所になってしまったようだ。
弁護士JP編集部