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ヒグマ頻出も「撃てない…」 駆除のハンター、銃を奪われる「警察側は早く返して」

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弁護士ドットコム

暗闇に光る2つの瞳ーー。今年7月、北海道中部の養鶏場にある監視カメラが大きなヒグマの姿を捉えた。夜な夜な倉庫を訪れては、鶏の飼料を食い荒らしていたようだ。 【写真】罠にかかった実際のヒグマ 同エリアでは今年、ヒグマの出没があいついでいる。地元には「相当ヤバい」との危機感があるが、打つ手が限られており、頭を抱えている。 というのも、駆除にあたっていたハンターが公安委員会に不可解な形で銃を取り上げられ、だれも撃てなくなっているからだ。 ハンターは現在、銃を取り戻すべく、裁判で争っている。地元雑誌『北方ジャーナル』などで活躍するジャーナリスト小笠原淳さんにレポートしてもらった。 ●養鶏場を襲う“招かれざる客” 騒動が治まった時、その男性(62)はホッとすると同時に「腹が立った」という。 「今回、たまたま人に被害がなかったらよかったものの、銃で撃てないと言われた時は『行政はおれたちを見捨てるのか』と思いました。歯痒いというより、腹が立ちましたよ」 自身の経営する養鶏場をたびたび訪れた“招かれざる客”は、およそ1カ月間にわたって地域を騒がせ続けた。食欲旺盛な訪問者の目当ては、倉庫に保管されていた鶏の飼料。最終的に、30キロ入りの魚粕7袋と約1トンの麦がその胃袋に収まった。 ●「体重270キロ」のヒグマ、なぜ銃が使えない? 北海道・砂川市。札幌と旭川を結ぶ国道のほぼ中間に位置する、旧産炭地の町だ。市街地には1万7000人ほどの市民が暮らすが、市域の東側には緑深い山が拡がり、ヒグマやキタキツネなどの野生動物が人里に迷い込んでくることも稀ではない。 餌不足の夏場はとくに目撃情報が増え、場合によってはそうした動物が「有害獣」として駆除の対象となることがある。 7月3日から同市一の沢地区の養鶏場に現われ始めたヒグマは、独り立ちまもないオスと思われた。被害に遭った鶏小屋の至近には経営者家族の自宅があり、通報を受けた砂川市農政課は最悪の事態を危ぶんで「箱罠」を設置、地元猟友会にも協力を仰いで足しげく現場に通い続けた。 同市の所有する罠の中で最大級という出入口1.5メートル四方、奥行き3メートルの罠にクマが捕えられたのは、約1カ月が過ぎた7月30日の夜。体長2メートル、体重270キロのオスは、それから丸2日間を鉄檻の中で過ごすことになった。 その間、動物園などの施設にクマの保護を打診し続けた市は、結果的に受け入れ先探しを断念、8月2日の午後に麻酔で眠らせて山中に移動し、関係者の手で駆除するに到っている。 市が、より確実な猟銃ではなく「罠」で捕獲したのはなぜなのか。そもそも、捕まえた時点でただちに射殺しなかったのはなぜか。撃てる人がいなかったためだ。

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