傾いた電柱接触、出火 内灘・宮坂 液状化、雨で沈下進行か
23日午後7時20分ごろ、内灘町宮坂の県道松任宇ノ気線沿いの電柱から出火、被膜シートを焼き、間もなく消し止めた。この電柱は元日の能登半島地震の液状化で傾いており、ここ数日の雨で地盤沈下が進み、傾斜が大きくなって近接する工場敷地内の電柱に接触して火が出た可能性がある。液状化地域で同様の事例は初めてで、復旧が進まない中、住民から不安の声が上がった。 町消防本部や北陸電力送配電によると、傾いた電柱の電線を保護する被膜シートと、隣り合う電柱の開閉器が接触し、火花が発生して被膜シートに燃え広がったとみられる。付近住民が「電柱から火が出ている」と119番通報した。出火の影響で周辺の約10戸が停電した。 宮坂区長の坪内健一さん(75)は「周辺では地盤沈下が今も進んでおり、今回と同じような火災の発生が心配だ。傾いた電柱の復旧を急いでほしい」と話した。 内灘町北部地域やかほく市大崎では、液状化や地盤が動く「側方流動」で県道松任宇ノ気線が約6キロにわたって波打ち、沿道の電柱も傾いた。北陸電力送配電は傾いた電柱の建て替え工事を進めている。