Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

ミシュラン店が実践 料理テイクアウトの「サブスク」の可能性

配信

Forbes JAPAN

新型コロナウイルスによる不要不急の外出自粛要請が出てから約1カ月半、「STAY HOME」を合言葉に、自宅でどう過ごすか、どう楽しむかを考える中、毎日欠かせない「食」に関しては、様々な飲食サービスやテイクアウト、自炊を利用して、自分なりにおうち時間を豊かにする食生活を模索してきた。 その中で最も感動したのが、広尾のフレンチレストラン「アルゴリズム」だ。2017年にオープンしてわずか数年で、ミシュラン一つ星、食べログで3.9の高評価を得る人気店が今回実施していた“仕組み”にビジネスのヒントを感じたので、ぜひその詳細を紹介したい。 店も客も嬉しい「サブスク」を採用 「アルゴリズム」は店舗来店型のテイクアウト形式を採用したが、ユニークだったのが店舗独自の「サブスクリプション(以下、サブスク)」ルールを加えたことだ 。サブスクは、定額料金を支払うことで、一定期間のサービスが受けられることを保証するもの。雑誌の定期購読、音楽や動画の配信サービス、また最近では自宅に花が届くようなサブスクもあるが、レストランでの導入はまだ珍しい。 コロナ禍でのテイクアウトにおいて、「アルゴリズム」は以下の内容で実施したのだが、その価格が破格だった(金額や日数は週によって変動有)。 1日1食(2人前)×4日=合計5000円(税込) 条件:Facebook or Instagram アカウントフォロー 当選方式:抽選 受取:本人のみ 広尾・西麻布の人気店は、ランチ1食のテイクアウトでも3000~8000円の価格帯が多い。アルゴリズムのクオリティを考えれば文字通りの破格だ。しかも、メイン・ソース・付け合わせ・スープの4品構成で、毎日食事が違う。 美味しいのはもちろんだが、「毎日メニューや予算について何も考えなくていい」、これが本当に良かった。

週テーマで毎日違う食事に感激

というのも、自粛に入ってから1カ月半、様々な飲食サービスやテイクアウトを利用しているうちに、「毎日食べるものを探したり、予算を考えることが面倒」になっていることに気が付いた。 最初はお世話になっている飲食店を利用したり、「食べログ」「OMAKASE」「ポケットコンシェルジュ」のテイクアウトまとめページを見たり、ウーバーイーツやChompyなどでデリバリーを利用したり、スーパーやコンビニでご飯を選んだりすることも楽しかった。だが次第に「同じ店だとメニューが変わらない」「店舗によって価格差が大きく、予算が気になる」「食べるものが似通って飽きてきた」といったストレスを感じ始めていた。 だからこそ、一度頼めば4日間、何も考えずとも毎日違う食事を食べられることに感激した。 マスクやキャップを被って調理をするスタッフ またこのサブスクは、利用者だけでなく、店側にもメリットがある。あらかじめ購入が確定していることで、提供数と日数が「見える化」し、食材の仕入れをコントロールできるからだ。先払いしている利用客にも「取りに行かなきゃもったいない」という心理が働くため、作ったものが無駄になるような食品ロスも少ない。 テイクアウトの急増で容器不足もニュースになっていたが、アルゴリズムは、利用者がタッパー(必要に応じてバッグや保冷剤も)を持参するシステム。これは、エコ配慮の点ではもちろん、味の面でもベストだと感じた。様々なテイクアウトを試したが、「出来たてを持ち帰って食べる」より、タッパーで持って帰り、電子レンジで温めたりフライパンであぶって食べる方が劣化が少なく、美味しかった。 必要最低限の待ち時間と会話 アルゴリズムのテイクアウトは、その渡し方にも工夫があった。店はカウンター8席の小さなレストラン。行くと、テーブルの上にiPadが置いてある。 そこには「今日のメニュー」と「食べ方」が記載されていた。「これはどう調理すればいいですか?」「他にオプションないですか?」など、よくある質問がiPadに記されているので、会話をしなくても解決できることが多い。 店に入ってからは、「1. 予約時間と名前を言う」「2. タッパーを渡し、待っている間にiPadを見る」「3. 食事を受け取り、店を出る」という流れで、時間帯が同じ客がいなければ、3~5分程度で済んだ。また、受け取りの際に翌日の来店時間を伝えることで、混雑を回避でき、出来立てを持って帰れるというのも嬉しかった。

【関連記事】