松本白鸚「一つの時代が終わった」坂田藤十郎さんへの思い語る 国立劇場12月歌舞伎に出演 15歳・市川染五郎も登場「華やかに締めくくれたら」
国立劇場の12月歌舞伎公演第二部「天衣紛上野初花―河内山―」に出演する松本白鸚(78)と「雪の石橋」に出演する市川染五郎(15)が22日、東京・三宅坂の同劇場内で会見した。 高僧に化けた御数寄屋坊主の河内山宗俊が、松江侯の屋敷に乗り込んで松江侯や家臣を手玉にとって金を奪い取る痛快作を、発端となる「上州屋見世先の場」から上演する。何度も手掛けている白鸚の当たり役だ。 白鸚は「この時期にぴったりの芝居だと思います。イヤなことは数々ありますが、小気味のいいタンカを楽しんで、ほんの一瞬でもウサを晴らしていただければ」と意気込みを語り、大胆不敵で愛嬌(あいきょう)もある河内山という人物には「楽屋に入ると憑依するんです」とも話した。 12日に88歳で亡くなった坂田藤十郎さんに関しても言及。「(高麗屋の)三代襲名に6カ月間、休みなく口上を述べて下さった。一つの時代が終わったなと感じます」と惜しんだ。また染五郎は、父が26年前に演じた作品に挑む。「とてもかっこいい作品。最後を華やかに締めくくれたら」と話した。
中日スポーツ