100台限定でダイハツが作った「フェローバギィ」がお洒落に蘇った! 70年代テイストのビーチバギーとは
日本に100台のみ存在した「フェローバギィ」とは
1970年代に誕生した遊び心ある乗り物があった。公道を走れる夏を満喫できるダイハツ「フェローバギィ」がそれである。クルマ好きの間でもあまり知られていないマイナー車である。 【画像】かつて100台限定でダイハツが販売した「フェローバギィ」を見る(16枚) たった100台限定だったため、カーマニアでも知らないのも無理はない。しかし、この非現実的すぎるクルマは、今、実用性を求めるばかりの時代の中では、むしろ魅力的な乗り物として輝いて見えてしまう。
フェローバギィは軽商用車トラックのシャシをベースに、ドアも無いオープンのバスタブ型強化プラスチックボディを被せたレジャービークルとして登場した。 生産台数はたったの100台のみという割り切りが潔く、現在では考えられない思い切った販売スタイルだ。そしてこれほど使用を限定したクルマも、そう簡単には今では作ることも難しいだろう。世に知られていないマイナー車だが、こうして見ると当時の時代を象徴しているようにも思える。 ●70年代に存在した異色の軽バギー そんな希少モデルのダイハツ・フェローバギィをたまたま某クルマ販売店で発見したのが、「バモス」ベースでビーチクルーザーを製作した千葉県のフォレストオート代表・戸森彰信氏だった。 その某クルマ販売店で45年間も眠っていたフェローバギィに、1970年代のビーチクルーザーに憧れていた戸森代表は、完全にひと目惚れ。車体もサビ無しの極上車だったので、これをベースに、戸森代表テイストのビーチバギーの製作を開始しようと決意したのである。
オリジナルを活かしたお洒落カスタムポイントとは
改造範囲はとても広く、まずバギーであることをより印象付けるべく、車高を純正よりもさらに上げる加工が施されている。実はフォレストオートは、軽トラックのリフトアップスプリングも販売している。そこで、そのノウハウを活かしてフェローバギィを自社オリジナルのFAFスプリングでリフトアップ処理を施したのである。
●ウッドを多用したインテリア また、よりカッコ良いアクティブスタイルを演出するために、バンパーガードやヒッチメンバーを装着。さらに、ロールバーには4連フォグランプをワンオフ製作でセットしている。 内装には三富平地林の「シデ」や「スギ」をふんだんに使用し、インパネにはチーク材をあしらったのも戸森さんのこだわりだ。また、あえてのダットサン「コンペタイプ」のステアリングとフルバケットシートをセットしている点が、旧車感を演出してお洒落にみせるポイントだ。 ビーチバギーとしての遊び心を与えつつ、質感にこだわったリゾートビークルとしての贅沢な作りと仕上げ。現代に蘇ったフェローバギィは、よりアクティブで洒落たクルマとなったのである。
青木邦敏