内川OP戦打率3割超の裏にあるもの【タカ番記者の好球筆打】
◆オープン戦 ソフトバンク5-2広島(23日・ヤフオクドーム) 打った本人は照れ笑いを浮かべていた。この日は今オープン戦10試合ぶりに主軸の一角、5番を任された内川だ。7回。先頭で打席に立つと、広島3番手中田の内角カットボールに詰まらされながらも左前にポトリと落ちる安打を放った。 直後に代走が送られ、ベンチへ退いたが、少し不格好な安打に恥ずかしさもあったのだろう。下を向き、必死に笑いをこらえているようでもあった。ただ、これで今オープン戦打率は3割6分まで上昇。開幕前とはいえ、これだけ高打率が残るのは、精神衛生上、いいに決まっている。 「手の方は、もうまったく問題ない」。13日の巨人戦で二塁へ滑り込んだ際、左手首を痛めた。翌14日に福岡市内の病院で検査を受け「左手首骨挫傷」と診断され、その後は4試合も欠場。戦列に戻ったのは21日の楽天戦からだった。 期間にして約1週間休んだことになる。今年8月で37歳を迎えるベテランにとって、この時期に1週間も実戦から離れるのは多少のリスクを負うが、そこは2000本以上もの安打を重ねてきた実力者だ。「体」は休めても「頭」は常に“動かして”いた。
本文:1,057文字
西日本スポーツ