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完成度より「一発勝負」の勢いが大事 木梨憲武の芸論【今週グサッときた名言珍言】

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日刊ゲンダイDIGITAL

【今週グサッときた名言珍言】 「やりすぎちゃうんですよ。やりすぎ注意なんですよね」(木梨憲武/NHK「林家正蔵の演芸図鑑」10月4日放送)  ◇  ◇  ◇  対談相手の林家正蔵に、歌のうまさを褒められた木梨憲武(58)は、歌はうまさよりも「どれだけ伝えられるか」だと北島三郎に教わったと語る。「一軍でがんばってるアーティストたち、売れてる方たちは、なんらかの伝え方が強いです。『木梨、伝えろよぉ』」と北島のモノマネを交えて語る。その上で話した木梨の芸論が今週の言葉だ。 「絵を描いててもどこでやめていいか、が。子供たちもそうです。子供の手を取らないと、最後、子供たちぐちゃぐちゃにしちゃいますよね。子供たちがガーッと描いた時に、ウワーッとエネルギーを感じたときに、そこでとって飾れば、すごい作品だと私は思っております。自分に置き換えると、どこがやめどきなんだ、どこまで行けばいいんだっていうのが、きっと、歌も一緒なんじゃないでしょうか」と続けた。  現在、木梨が精力的に行っているアート活動は、「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」(日本テレビ)の番組企画が発端。岡本太郎をパロディーにした「憲太郎」に扮したワンコーナーがあった。そこで自分が絵の具の中に入って、大きなキャンバスにダイブしたのだ。まさに「一発勝負」の作品だった。  その企画で出会ったアーティストの日比野克彦が、名古屋のパルコをプロデュースしており、「憲ちゃん、そこで個展やってみたら?」と誘った。「美術をずっと勉強していなくても、自分が表現したものが人に伝われば、なんだって好きにやっていいんだ」ということを日比野から教わったと木梨は言う(Yahoo!JAPAN「Yahoo!ニュース特集」18年11月16日)。 「一発勝負」で始まったアート活動だが、それに限らず、多岐にわたる木梨の活動に共通するものこそ、この「一発勝負」の精神だろう。 「歌もそうなんだけど、『普通に歌わなくていいよ』って育てられてるから。そういう、役割。番組も台本が一応あるんだけど、台本通りやらないで一発勝負、半分はアドリブ。あの時代はそれが求められてた。逆にマニュアルどおり普通にしてると、『あれ、どうしたの、今日。調子悪いのかな?』とか思われてた」(同前)  表現はこだわろうと思えば、どこまでもこだわることができる。そうした中で雑念も入ってくるだろう。だから、エネルギーの感じるままを大事にする。完成度よりも初期衝動と躍動感。その「一発勝負」の勢いが見るものに「伝わる」のだ。 (てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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