メルセデスのミニバンが“和製高級ミニバン”より優れている点とは?
メルセデスのミニバン「Vクラス」の最新仕様にサトータケシが試乗した。細かな改良ポイントと定員フル乗車時の実力をテスト。 【写真を見る】新型Vクラスの詳細(21枚)改良ポイントをチェック
地道な進化
クルマというのは、ニューモデルを発表したらハイおしまいではなくて、地道に改良が続けられている。自戒の念を込めて書けば、ニューモデルには飛びつくくせに、地味な進化を見逃していることが多い。 というわけで、メルセデス・ベンツのVクラスに小変更が施されたと知って、早速試してみた。 小変更その1は対話型インフォテインメントシステム、MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が備わった点。「ハーイ、メルセデス」と呼びかけることでカーナビやオーディオ、空調などを音声でコントロールできるシステムだ。 この日は定員7名フル乗車+機材満載でスタートした。率直なところ、初対面の人もいる6人の前で「ハーイ、メルセデス」と、話しかけるのはためらわれた。 けれどもVクラスに話しかけ、ボイスコントロールで目的地を設定すると車内に小さなどよめきが起こった。筆者以外の6人はMBUX初体験だったらしく、「すごい!」「未来のクルマだ」「ナイトライダー!」と、車内は予想外の盛り上がりを見せる。 仕組みを説明すると、助手席に座ったカメラマン氏が2列目シート、3列目シートの乗員からのリクエストを受け、ラジオ局を選んだり空調や照明を設定したり、盛んにVクラスに話しかけている。 人とクルマが声でコミュニケーションを図るMBUXによって、ドライバーだけでなく、パッセンジャーとクルマとの距離も近くなることを実感した。「ハーイ、メルセデス、MBUXのおかげで大人数での移動が楽しくなったよ!」。 小変更その2は、安全運転支援システムであるレーダーセーフティパッケージが標準装備されるようになったこと。危険を察知すると介入する自動ブレーキや、先行車両に追従するクルーズコントロール、車線からはみ出すとハンドルが振動して注意を促す仕組みなどが備わる。 なかでも、斜め後方の死角に入ったクルマや自転車の存在を知らせてくれるブラインドスポットアシストによって安心して運転することができた。立派なサイズのVクラスはそれだけ死角も大きいわけで、これがあるとないとでは大違いだと感じた。