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実写ドラマ「マンダロリアン」がスター・ウォーズ ファンに大絶賛される理由。

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VOGUE JAPAN

この6月に日本上陸を果たしたディズニー公式動画配信サービス、Disney+ (ディズニープラス)のオリジナル作品で高い評価と人気を誇るのが、スター・ウォーズ初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」だ。バウンティハンター(賞金稼ぎ)として苦闘する一匹狼、マンダロリアンの物語が絶賛される理由をSWファンのD姐が考察する。

あまりにも完璧すぎるスター・ウォーズ外伝。

『スター・ウォーズ』という映画シリーズは史上最も有名な作品だけに、期待・人気・ファンの思い入れが甚大で、それゆえに続編の満足度を得るのが最も難しい作品であるかもしれない。しかし、初のテレビドラマシリーズで、しかも「バウンティハンター」というサブキャラ的存在が主人公であるのにもかかわらず、スター・ウォーズ外伝「マンダロリアン」は関連シリーズの中で、最も“スター・ウォーズらしい”作品のひとつと言える素晴らしい作品だ。 1977年公開の『スター・ウォーズ』で始まったいわゆるオリジナル三部作(1980年『帝国の逆襲』、1983年『ジェダイの復讐』)、新三部作(エピソード1~3)、続三部作(エピソード7~)、スピンオフ2作、そしてアニメシリーズと数々の作品が制作されてきた。Disney+ (ディズニープラス)独占配信となった「マンダロリアン」のシーズン1は全8エピソードだが、公開されるや大絶賛となり、現在すでにシーズン2の制作が行われている。 オリジナル三部作を除く作品を続編と呼ぶなら、これだけで劇場映画だけでも8作品が存在する中で、なぜ「マンダロリアン」が最もスター・ウォーズらしさがある作品と感じられるのか? それは『スター・ウォーズ』の続編を作ろうとしたのではなく、「製作総指揮のジョージ・ルーカス」のヴィジョンとスピリッツを徹底的に求めた、という逆転の発想にあった。

根底にあるジョージ・ルーカスへのリスペクト。

「マンダロリアン」の製作総指揮は、『アイアンマン』や『ジャングル・ブック』で一躍エンタテーメント作品監督としての地位を確立したジョン・ファヴローだ。ファヴローは元々バイプレイヤーの三枚目俳優で、『アイアンマン』シリーズはもちろん『アベンジャーズ』にもトニー・スタークの運転手ハッピー役で出演し、主演・監督・脚本を務めた『シェフ』も評価が高い。監督としての方が知名度が上がった今では、むしろ「出たがり監督」の印象さえあるが、彼は「スター・ウォーズっぽい作品を目指したわけではない。ジョージ(・ルーカス)だったら、どんな続編を作るか、と考えたときに、まず彼がどんな作品に影響されてスター・ウォーズを作ったかという原点に立ち返る必要があった」と語る。 この発想は、まさに自分自身がスター・ウォーズに憧れて影響を多大に受けた「ルーカス・チルドレン」だからこそのスター・ウォーズ愛。そこで、ルーカスが影響された映像作品からのインスパイアをあえて積極的に取り入れた。それが「時代劇」と「西部劇」だ。スター・ウォーズが黒澤明映画やセルジオ・レオーネの一連のマカロニ・ウェスタン作品にインスパイアされていたことは有名な話だが、「マンダロリアン」では特にクリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』(といってもこの作品は黒澤監督作『用心棒』のオマージュでもあるが)と、もう一つの意外な時代劇作品がインスパイアされている。 マンダロリアンが“幼い”「チャイルド」を連れてディストピアを旅する姿……これはまさにテレビシリーズと映画で大ヒットした時代劇の金字塔「子連れ狼」で、ファヴローも実際に「ローンウルフ(「子連れ狼」の英語タイトル)を意識した」と語っている。また製作過程において、ファヴローはブレインストーミング会議的な意味で「みんながドージョー(道場)にアイデアを持ち寄ってアイデアをぶつけ合った」と表現しているのも興味深い。 音楽監督は『ブラック・パンサー』でアカデミー賞作曲賞を受賞したルドウィグ・ゴランソンだが、ファブローから黒澤映画やウェスタン映画のインスパイアを事前に明言され、このテーマソングの印象的なたて笛の音色も「孤独なサムライっぽさ」をかき立てている。

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