本当の意味で最後のオリンピック予選大会「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」スケートボード・パーク種目の見どころ
男子パーク
OQS上海大会を終えた時点で、やはり超高得点配当であることからトップ10の間だけでも順位にかなり変更があった男子カテゴリー。ただまだまだ今大会においても選手たちは安心できず、それどころか今まで以上にポイント間は近く拮抗した状態であり、一切油断できない戦いになると想定される。特にそれは10位以下も同様で各選手の間もわずか数千ポイントだったりとまだまだオリンピック出場権争いには波乱がありそうだ。 まず世界ランキングから国別で注目が集まっているのは、トップ20までに5名がランクインしており、トップ3の座を抑えているアメリカ。世界最高峰の才能が群雄割拠するこの国の中から、上海大会を終えて大きくランクをジャンプアップさせたのはテイト・カリュー。同大会で見事優勝を収めて世界ランキング4位から1位へと躍り出た。 続いて世界ランキング2位はジャガー・イートン。この上海大会での3位入賞がその座をキープする決め手となった。なおイートンは同大会にてストリート種目の方で優勝を果たし世界ランキング2位となるなど、パリオリンピックにて二刀流を実現させる可能性が濃厚となっている。そして現世界チャンピオンのギャビン・ボドガーが同大会で6位で終えて世界ランキング3位になっており、現時点ではこの3名がパリオリンピックへの出場権を持っている状態だ。 そんな彼らを追う形になっているのが9位のトム・シャーと18位のリアム・ペイス。このトップ3の牙城を崩すために今大会での高得点獲得が必須となる。しかし現時点でトップのカリューを9位のシャーが越えるには優勝以外の結果では不可能であるため、カリューがおそらくほぼオリンピック出場権を獲得したと言っても過言ではないだろう。またペイスも上海大会では怪我の影響から思うようなパフォーマンスができなかったのため今回どこまで戻してきているかも注目だ。最終戦となる今大会はどんな展開になるだろうか? そのアメリカと同様に厳しい戦いを強いられると想定されているのはブラジルだ。上海大会では国別ランキングトップ3が決勝進出を果たしたもののベストパフォーマンスを残せなかったことから、現在は5位のアウグスト・アキオをはじめ、6位にペドロ・バロス、そして8位にルイジ・チニという順となっている。その後に続くのは15位のペドロ・キンタス、19位のペドロ・カバーリョ、24位のムリーロ・ペレスだ。なお15位のキンタスと8位のチニとは7万8千ポイント以上の差がある。上海大会では出し切れなかったブラジルのトップ3が今大会で雪辱を果たし良い成績を残して逃げ切れるか、それともキンタスや後続の選手たちが大逆転してオリンピック出場権を獲得するのか目が離せない。 そしてフェーズ2に入り堅実な強さを見せているのがオーストラリアだ。上海大会で準優勝した東京五輪金メダリストでキーガン・パーマーが世界ランキング4位、同大会で4位となったキーラン・ウーリーが7位、キーファー・ウィルソンが11位と確実にランクアップしている。彼らの存在は間違いなくアメリカやブラジルをはじめとする様々な選手の代表枠争いに大きな影響を与えることだろう。 またアメリカ、ブラジル、オーストラリアが9割を占める世界ランキングトップ10の中に唯一他国の選手として残っているのは「WST Dubai」の王者であるスペインのダニー・レオン。今回は惜しくも14位で決勝進出とはならなかったが今大会のパフォーマンスによってはパリオリンピック本戦でのメダル争いにも十分狙える選手だ。 そしてそんな世界の強豪勢を相手に出場権獲得を狙う唯一の日本代表選手が、現在世界ランキング14位の永原悠路。上海大会では惜しくも15位で準決勝敗退となったが、現時点のランキングではパリオリンピック出場権圏内。今大会では良い成績を残して弾みをつけ、唯一の日本人男子選手としてパリオリンピックでの活躍に期待したい。