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アナ・ウィンターが綴る、テレワークを通じて見えた新たな景色。

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VOGUE JAPAN

新型コロナウイルスの影響を受け、US版『VOGUE』編集長のアナ・ウィンターもテレワークが続いている。不便なことが多いなか、自身の日常から、そしてファッション業界全体から生まれ始めたポジティブな変化とは?

私の自宅にはただ通り過ぎるためだけの部屋があった。見晴らしの良い窓があり、丁度いいサイズの机が置かれ、ネット環境のいいこの一室は、今では滅多に離れることのない、私のオフィススペースと化している。 テレワーク勤務に切り替わったことで、このような自宅周りの変化を多くの人たちが経験しているだろう。狭いスペースで暮らす人は、あらゆる工夫を駆使してこの状況を乗り越えているかもしれない。不便なことはあるが、余分なスペースを持つ自分は恵まれている。いま、私たちは小さな幸せを噛み締めることが重要だ。第一線で活躍するエッセンシャルワーカーたちは自宅に留まるという贅沢がなく、彼らの功績を思い返すと、テレワークの理不尽さなどは本当に些細なことに過ぎない。

テレワークがもたらすポジティブな一面。

しかし、テレワークに切り替わったことで何かポジティブな発見はあっただろうか? 私はこの疑問について多く考えるようになった。難点については非常に明白だ。まず、人との触れ合いが恋しい。新たなアイデアを生み出す職場での出会いや意見交換などがない。小さな子どものいる友人や同僚たちは、これまで以上に育児をやり繰りしなければならなくなった。 しかし、最近ではポジティブなことも実感し始めている。通勤しないことで時間とお金が節約され、二酸化炭素の排出量も大幅に削減されている。好きな時間に始業して終業できる自由なスケジュール。そして、出張やイベントがキャンセルになったことで走り回ることが大幅に減り、集中できる時間が増えた。そう、かつてないほどの時間がある。 この有り余った時間で人々は立ち止まり、今までの日常を考え直している。例えば、ニューヨークのような大都市に住むこと。私はこの街が大好きだが、こういった密集した場所には法外な代償がつきまとうことが明るみになってしまった。あるいは、家族との時間の大切さ。多忙な人(私を含め)は今回の事態を機に、改めて家族という存在の偉大さを実感しているはずだ。これまで家族のための時間がないと感じていた友人たちは口を揃えて、どれほどこの時間が大切だったかと熱弁している。また、この隔離期間を家族とともに過ごしていない人は、新たな方法でつながり方を模索している。俳優である友人は、動画を通して孫娘に絵本を読み聞かせているそうだ。

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