キッセイホール30周年 来月新日本フィル公演
長野県松本市水汲のキッセイ文化ホールは今年、開館30周年を迎える。世界的指揮者の小澤征爾さんが総監督を務める国際音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の主会場として、平成4(1992)年から共に歴史を刻んできた。6月26日に小澤さんとゆかりの深い新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会を予定し、30年前の音楽祭初日に響かせたブラームスの交響曲第1番で節目を祝う。 新日本フィルは小澤さんらにより設立され、今年50周年となる。今公演は新日本フィル初代音楽監督の小泉和裕さんが指揮。サイトウ・キネン・オーケストラにも参加するチェロ奏者の宮田大さんをソリストに、ドボルザークのチェロ協奏曲も披露する。 ブラームスの交響曲第1番は、ホールでの初のオーケストラ公演としてOMF前身のサイトウ・キネン・フェスティバル松本初日に小澤さんが指揮し、当時の天皇・皇后両陛下も鑑賞された。 かつて陸上競技場などの体育施設があったエリアに長野、伊那に次ぐ3館目の県立文化会館として開館。力を入れる伝統芸能の落語やファミリー向けイベント、教育活動支援など公共ホールとして幅広く取り組んできた。一昨年には大規模改修が完了し、安全性や快適性が向上した。主ホールの客席数2000は県内最大規模を誇る。 節目の記念としては、11~12月の「まつぶん落語まつり」も計画する。金井貞徳館長(70)は「記念事業は感謝を込めて企画した。これからも幅広い文化活動の場として大いに活用してもらい、発信にも努めていきたい」と話している。演奏会などのチケットはインターネットでの購入にも対応している。問い合わせは同ホール(電話0263・34・7100)へ。
市民タイムス