クイーンビートル浸水隠し、日韓航路から撤退も視野 船体補修難しく
JR九州高速船が日韓を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して3カ月以上運航を続けた問題で、親会社のJR九州が、船体補修の難しさから、運航再開を断念して日韓航路から撤退することも視野に検討していることがわかった。撤退が決まれば、30年以上続く事業が不正をきっかけに終わることになる。 【写真】運航停止が続く中、博多港に停泊するクイーンビートル=2024年8月16日、福岡市博多区、江口悟撮影 JR九州の古宮洋二社長は13日、朝日新聞の取材に「運航再開に向けて頑張っているが、必要な対策ができなかったら、撤退する方向も選択肢としてはある」と話した。古宮氏はこれまで、繰り返し運航再開に意欲を示してきた。 福岡市の博多港と韓国・釜山港を結ぶクイーンビートルは2022年11月に日韓航路に就航後、船首の溶接部分から浸水を繰り返してきた。対策として溶接方法の変更などが検討されてきたが、溶接が難しいアルミ製であるため、極めて高度な技術が必要で強度などの課題も多いという。
朝日新聞社