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スーパーの駐車場で寝ていた「薬物依存ホームレス」が、そのスーパーの店員になるまで

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クーリエ・ジャポン

学習障がいで読み書きが苦手

ラシェンダ・ウィリアムズ(46)はその日も、スーパーマーケットの駐車場に止めた車の中で目覚めた。落ち着いてぐっすり眠れなかったのはいつものこと。だがその日の朝がいつもと違っていたのは、スーパーの窓に求人の貼り紙を見つけたことだった。 テネシー州イースト・ナッシュビルにある「クローガー」の駐車場で寝泊まりするようになって、すでに1年近くが経っていた。ウィリアムズはその貼り紙に運命のようなものを感じた。 彼女はいつものように店内に入り、働いている人みんなに挨拶した。だがその日はもう少し積極的になった。勇気を振り絞って、人事担当者に取り次いでもらえないかと頼んだのだ。 「私、ここで働くことができると思うのですが、空きはありませんか?」 人事担当のジャクリーン・ヴァンダルが、ウィリアムズが応募書類を書くのを手伝ってくれるという。学習障がいのあるウィリアムズは読み書きが苦手だった。 ヴァンダルはウィリアムズの横に座り、彼女が応募要項の質問にパソコンで記入していくのを一つひとつ助けた。そして応募書類が受理されたというメッセージが画面に表示された瞬間、ヴァンダルは「おめでとう、あなたを採用します」と告げた。 「信じられませんでした。私は彼女を抱きしめて泣きました」と、ウィリアムズは昨年末のその日のことを振り返る。「誰かが私にチャンスをくれるなんて思ってもみませんでした」 ヴァンダルは、応募書類を記入するウィリアムズの粘り強さに心を打たれたという。 「ラシェンダの人間性が伝わってきました。彼女にチャンスをあげなくては、と思ったのです」 当時、ヴァンダルはウィリアムズが車の中で生活しているとは知らなかったという。「ただ、苦労しているということは分かりました」 スーパーのセルフレジの補助として働き始めて5ヵ月。小さな部屋を借りるだけのお金がたまったウィリアムズは、今年5月に駐車場からアパートに引っ越した。ホームレス生活に終わりを告げることができたのだ。 新居の家具やキッチン用品などは、スーパーの同僚やお客たちが寄付を呼びかけてくれた。クローガー社のウェブサイトや地元紙にウィリアムズの話が掲載されると、さらに多くの人々から寄付したいという声があがった。

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