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仕事中の居眠り、従業員の睡眠不足対策に乗り出した日本企業

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The Guardian

【記者:Justin McCurry】  従業員が夜、十分な睡眠をとっていないことに気付いてくれて、就業時間中に仕事の手を止めて、昼寝することを許してくれる会社を想像してほしい。しかも、机で少しの間うたた寝させてくれるのではなく、静かな部屋で熟睡できるのだ。  日本では睡眠不足がまん延しており、その経済的損失は年間1380億ドル(約15兆円)に上ると推定されている。このため、対応策を講じる企業が増加している。  睡眠が借金のように積み重なって心身に悪影響を及ぼす「睡眠負債」により、イライラして生産性がなくなっている従業員の対策にいち早く乗り出したのは、IT系のスタートアップ企業だ。  ITサービス企業ネクストビート(Nextbeat)は昨年、東京本社に「戦略的仮眠室」を設置した。男女1室ずつある仮眠室には、アロマの香りが広がり、雑音を遮断する設備も備え付けられており、従業員は邪魔されることなくソファに横たわって昼寝ができる。携帯電話やタブレット、ノート型パソコンの持ち込みは禁止されている。  さらに、残業をなくし、適切な時間に就寝するよう促すため、金銭的インセンティブを出す企業も出てきた。結婚式のプロデュースを手掛けるクレイジー(Crazy)は、6時間以上の睡眠を取った従業員に対し、社員食堂で利用できるポイントを付与している。アプリケーションを使って睡眠状態をモニターする仕組みで、従業員は年間最高6万4000円分のポイントを貯めることができる。  手や足など体に装着して健康を管理するフィットネストラッカーを使った調査では、日本人男女の睡眠時間は平均わずか6時間35分だったことが分かった。これは世界平均より45分短く、対象となった28か国中最短だった。  健康機器メーカー、フジ医療器(Fujiiryoki)が20歳以上の男女を対象に実施した別の調査では、92.6%が睡眠に不満を持っていると回答した。  居眠りをしている従業員の処分を行わない会社では、数分ぐらい机にうつ伏して寝ていても、おそらく問題にはならないと寝不足の従業員は分かっている。企業は、居眠りを怠慢の表れではなく献身の証しと考えており、大目に見ることが多い。だが、居眠りをする従業員は普通、席に座ったままでなくてはならず、気持ちよさそうに見えないようにしなければならない。  日本政府も、労働者が十分に休息をとることは、私生活上でも仕事上でも恩恵をもたらすことを理解し始めている。厚生労働省は、あらゆる年齢の労働者に対し、午後の早い時間に30分以内の昼寝をするよう提言している。これに対して、一部の政治家からは、すぐに賛同の声が上がった。【翻訳編集:AFPBB News】 「ガーディアン」とは:1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

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