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《札沼線と留萌本線》日本一短い本線を味わい尽くす【女子鉄ひとりたび】18番線

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元祖鉄道アイドル、今は「鉄旅タレント」として鉄道をアツく語る、木村裕子が日本各地の魅力的な路線を紹介する“女子鉄ひとりたび”(『女子鉄ひとりたび』著・木村裕子より)。猛暑、酷暑が続く本州を離れて、目に浮かぶのは広い緑の平原、青く済み渡る空、どこまでも続く道、家畜たちの素朴な香り……でっかいどう、北海道。数ある鉄道の中でも、本線とは名ばかりの短い短いミニ路線「留萌本線」に、真性・鉄子が出没します。 この記事の写真はこちら ■鉄道にとらわれない柔軟な考えが旅を楽にする  大好きな路線がどんどん地図から消えていく。  去る2016年12月、留萌(るもい)本線の留萌(るもい)~増毛(ましけ)間が廃止された。この区間は日本海の絶景を堪能できることから、乗り鉄ファンにも人気を集めていたが、年間1億6000万円以上の赤字にJR北海道が支えきれなくなり、惜しまれつつも廃線となってしまった。  もうここへ来ても列車は来ないが、私の胸の中では〝回想列車〞として、いまも鮮明に走り続けている。  その回想列車にご乗車いただこう。  まずは札幌から早朝の列車に乗り、札沼(さっしょう)線の終点である新十津川(しんとつかわ)駅へ。  当時は1日3本列車が来ていたが、現在は1本のみ。上り終列車はなんと朝10時発だ。そのため「日本一早い最終列車が出る終着駅」として注目を浴びている。この駅も、2020年5月の廃止が決定してしまった。  降り立ったのは9月上旬。秋の心地よい空気に包まれ、駅舎の周りにはたくさんのコスモスが揺れている。東京ではまだまだ残暑が続いていたが、さすがは北海道。季節を一か月以上先取りしていた。  複数のローカル線を効率よく乗るには、路線バスを味方につけるとよい。  実はこの駅、滝川(たきかわ)駅とは石狩川を挟んで、数キロしか離れていない。札幌まで引き返さなくてもバスに乗れば、函館本線の滝川駅までショートカットできるうえに、留萌本線も同時にまわれる。  さらに時間節約のため、滝川駅から深川(ふかがわ)駅までの1区間だけ特急「オホーツク」に乗った。これで行けば留萌本線の列車に接続でき、しかも終点である増毛駅で観光に3時間も取れる。こんなスペシャルな行路(こうろ)を作るなんて、私は天才だ!  乗り鉄のコースを作るとき、西村京太郎(にしむらきょうたろう)さんの小説トリックで使われる時刻表の穴を見つけると、JRに勝利した気分になってしまう。思わず自画自賛するが、そもそもこのダイヤを設定したJRの人がすごいのだ。  冷静に考えれば、私は天才でもなんでもないことになる。

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