サウナの健康効果 どんな運動に相当?…高血圧や脳卒中、自律神経機能のリスク低減につながるという報告も
風呂やサウナと健康について考える「浴なび」
1~2週間に1度、専門の施設でサウナ浴を楽しんでいます。きっかけは十数年前、通う大学の近くにあった銭湯でした。ここにはサウナのほか、程よい冷たさの小さなプールがありました。すべり台を使って入る構造も面白くて、サウナ後に水につかる気持ち良さをここで知りました。 【図解】サウナを安全に楽しむ6か条 残念ながら、この銭湯は今はもうありません。就職後の何度かの転勤に伴い、北陸、近畿、首都圏のサウナを巡りましたが、今でも忘れられない場所の一つです。
私が楽しむサウナ浴はフィンランドで文化が定着した「フィンランド式」を指します。サウナに一定時間入って「蒸された」後、水風呂につかるか冷たいシャワーを浴び、椅子に座って風を浴びるなどして休憩します。 これを繰り返して得られる深いリラックスの感覚はドラマなどで「ととのう」と表現され、2021年の「新語・流行語大賞」の候補にもなりました。
この繰り返しは風呂での「温冷交代浴」と似ています。サウナ浴にはどのような健康効果があるのでしょうか。 フィンランドはサウナに関する医学研究にも力を入れています。18年に同国のユバスキュラ大学などのチームが発表した論文によると、定期的なサウナ浴はウォーキングなどの運動に相当し、高血圧や脳卒中といった血管が関わる病気や自律神経機能のリスク低減につながると報告しています。 オーストラリアなどのチームが24年に報告した論文は、気候変動に伴う夏場の猛暑に体を慣らすのに有効な可能性があると指摘しています。 ただ、心臓や肺に持病があったり、過剰にサウナに入り続けたりすると、入浴後の事故につながるとの論文もあります。無理なく楽しむことが大切です。 「サウナに入る時間はどのくらいが良いのか。水風呂では?」と疑問が生まれるでしょう。適切な時間配分や入り方を考える必要があります。 浴なびではサウナ浴を巡る話題も随時、紹介します。(村上和史)