季節限定モデル、裏の顔はオツボネ?「ツタウルシ」|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #40
メイク後はシニア一直線
さてさて、「すっぴん」→「メイク完了」と参りましたので、ここからは「メイク落とし後」もご覧いただきましょう。まだまだ葉っぱが赤いからきれいじゃん! って声が聞こえそうですが、よくよく見てみると……葉の先っぽに、ヘンなゴマがゴマゴマッと付着してます。これが、花が終わったあとの果実(枯れて種ばかり)のお姿なわけです。ここから葉が散ってしまえば、何が起こるか。そりゃもう、骨と皮ばかり、カサカサバアちゃん(超失礼)になっちゃうというわけですね。
本当にキケンなのは、このとき!!
ウルシといえばもうひとつ、そのリスクを語らずにはいられない。「これは触っちゃダメですよ。ウルシですからかぶれます」といえば、日本人の9割が「あ~」と納得するくらい、メジャーです(※データはテキトーです)。通年触るなコールが絶えませんが、もっともキケンなのは芽吹きの蒸散(葉っぱの呼吸のようなもの)が盛んな時期。こちらは貴重な早春のカットですが、このときの強さは、ラスボスおツボネ級。そして、人によっては無害なところも、おツボネっぽい(!? )。賢明な読者の皆様、オツボネの逆鱗には触れませぬよう、秋と春、二回にわたる紅葉を楽しんで! あ、すっぴん(花)もお忘れなく……。 さてさて、今回ご紹介してきた、ツタウルシ。いかがでしたでしょうか? 名前だけは超メジャーでありながら、花は見かけない……そんな植物のひとつですよね。ツタウルシの紅葉は、ちょうど今ごろ。紅葉を楽しんだら、ぜひその場所を記憶してください。そして来年は、美しい芽吹きを、そしてジミのキワミ(花)を! ぜひぜひ、見てあげてくださいませ!! 。 それでは、また。 みなさまのココロに、すてきな花が咲き誇りますように。 写真◎成清陽
ランドネ編集部