70代のインスタグランマ、内藤朝美さんが偏愛する「コム デ ギャルソン」の逸品
70歳にして現役インスタグラマーとして活躍する内藤朝美さんのルーツを辿りながら、モノとの思い出を綴る特別企画。今回は、青山のお店がオープンした頃から家族で通っていたという、「コム デ ギャルソン」の思い出について。 【写真】70歳のインスタグランマ、内藤朝美さんをつくる10のモノ・コト
「コム デ ギャルソン」の青山のショップがいまの場所にできたのは、30年以上前になるかしら。 オープンしたての頃、夫と中学3年生だったさおりと三人で足を運びました。それも、毎週末です。迷路みたいな空間に花が飾られていたりしてとても斬新だったし、何と言ってもお洋服が刺激的! 友達と過ごしたい年代の娘が、週に一度、両親と出かけるのを楽しんでくれたのはこのお店だったからかもしれないですね。
「コム デ ギャルソン」で購入した、 大好きなチェック柄はいまも愛用
当時、さおりとおそろいで買ったのが、フロントにクロスをあしらったスカートです。さおりは、ネイビーの巻きスカート。スタッズでクロスを描いた、プリーツの入ったミニスカートです。 一方、わたしのはタータンチェックにカラーストーンのクロス。やはり、巻きスカートで後ろにプリーツが入っています。
30年経ったいま、両方ともわたしが愛用しています。脚はコンプレックスだけど、ミニスカートだって、濃い色のタイツとブーツを合わせれば大丈夫!(笑)
チェック好きのわたしは、当時、上の写真のジャケットも青山のショップで買いました。実は、このジャケット、内側にもう1枚黒いジャケットが重なっていてそこからチェーンが出てきて上の黄色のジャケットとつながっているという、パンクっぽい1枚でした。
もちろん、それはそれでかっこよかったんですが、わたしには、黄色だけのほうが似合うかなあと、勝手にカスタムメイドさせていただいて長年着ています。 ほかにも、夫が「これいいね!」とわたしに薦めてくれたのが、胸もとに大きな安全ピンの付いたコート。ボロルックで一世を風靡した「コム デ ギャルソン」ならではの凹凸感あるウールの素材感も、安全ピンの使い方ひとつで自在に変化するデザインもかっこよかった。
さらに娘に夫が薦めたのは、いろんな花柄がパッチワークされた夏のワンピース。そうそう、ストリングスで丈を自由に変えられ、裾からもう一枚白い布地がのぞくワンピースもロマンティックだったなあ。 まるで、散歩をするように家族で青山のショップを楽しんでいた頃。1枚の洋服を手にして、親子でいろんなおしゃべりをしたかけがえのない日々でした。 text: AKEMI USHIJIMA