厚生年金と国民年金だけでは老後に安心できない3つのワケ
2019年は「老後資金2000万円問題」が話題になったというのをご記憶にある方も多いのではないでしょうか。 これは、老後の年金収入の他にざっくりと2000万円がないと困りますよというもので、大きく注目されましたが厚生年金と国民年金などの公的年金だけでは、ゆとりある老後生活を送れないのでしょうか。 この記事では、公的年金の平均的な支給額と、不足分はどのようにしたらいいのかについて解説します。
年金の仕組み
日本の年金制度は3階建ての構造になっています。1階部分は国民全員が加入する「国民年金」、2階部分は職業に応じて上乗せ給付をおこなう「厚生年金」です。 1・2階部分は、国が社会保障の一環として運営していて「公的年金」と呼ばれています。そして、3階部分に企業や団体などが運営している「企業年金」などがあるのです。
厚生年金と国民年金で受け取れる額
公的年金(厚生年金+国民年金)では、どれほどの額を受け取れるのでしょうか。平成30年度・厚生年金保険・国民年金事業の概況(厚生労働省年金局)によると、年金の平均受給額(月額)は、以下の通りです。 ・国民年金のみ(自営業・専業主婦など) 5万4614円 ・国民年金+厚生年金(会社員・公務員など) 14万3761円 夫婦2人(会社員+専業主婦)の場合、月額平均19万8375円を年金として受け取れる計算になります。 ※ただし、国民年金については、基礎のみ共済なし・旧国年の受給者。
公的年金だけではゆとりある生活を送れない
公益財団法人生命保険文化センターが発表した意識調査によると、夫婦2人が老後を生活するために必要な生活費の月額は、最低日常生活費では月額で平均22.1万円。ゆとりある老後生活費は平均36.1万円となっています。 この意識調査を前提にすれば、公的年金の月額平均19万8375円だけでは、最低日常生活費を賄えないことになり、不足分は貯蓄などを充てる必要があります。 必ずしもすべての方の生活水準が意識調査を前提にするというものではないですが、計算上はそう見えるという点については、認識しておきたいところです。