京葉銀行 取引先の増収増益ランキングで全国トップ ~ 「取引先の成長と課題解決」、担当者インタビュー (前編) ~
―企業への支援体制は
千葉県内の企業が抱える課題が多様化、高度化しており、求められるニーズの発掘も重要で、その解決を実行してきた。 具体的には、事業性評価を通じて顧客の成り立ちから商流の把握、現在から将来までの目標を共有し、パートナーとなれるよう取り組んできた。特に、将来に向けた支援を大切にしており、未来伴走シートというツールを利用しながら対話を行い、現在と将来像のギャップを把握し課題を共有している。 銀行が一方的に顧客を評価したり、課題解決策を検討するだけではなく、ツールで課題を共有し、一緒に検討することが重要と考えている。顧客自身に課題解決の意識を持ってもらい、銀行と共に能動的な取り組みを促している。
―増収増益ランキング1位に輝いた
企業経営サポートグループは支店の担当者と同行訪問し取引先の経営改善をサポートする部署で、コロナ禍のタイミングでは影響を細かくモニタリングしてきた。ゼロゼロ融資を中心に債務が膨らみ、将来的な返済負担が増加する取引先が多くあると認識していた。 キャッシュフローと年間返済額を比較した時、ゼロゼロ融資等の調達でキャッシュフローより年間返済額の方が多くなる逆転の状況が続くと、資金不足が発生し、さらに借入が増える負の循環に陥ってしまう。 これをいかに未然に防ぐか、あるいは早期に改善させられるかに着目し、ゼロゼロ融資先への支援を強化した。 例えば、ある程度キャッシュフローを確保できている取引先には、保証協会の制度などを利用した上で年間返済額をキャッシュフローの範囲内に収める「リバランス」スキームを構築し、実施してきた。これにより資金繰りに余裕が生まれ、前向きなことに資金を使えるようになる。リバランス後の伴走支援を含め、この取組みにかなり注力した。 もちろん、業況の回復が遅れ、キャッシュフローを確保できていない取引先には、収益力の回復を最優先とするべく、可能な限り迅速にリスケジュールを実施している。その際は405事業による改善計画策定のほか、中小企業活性化協議会など外部機関と随時連携し、対応してきた。 こうした取り組みが、業績回復に結び付き、成果につながったと思っている。