『あさイチ』番組内の“有働アナいじり”はセクハラ?
「40代からのセクハラ」をテーマに放送された10月15日の『あさイチ』(NHK総合)で見せた、司会のイノッチ(V6の井ノ原快彦さん)の発言や気配りがネット上で大きな反響を呼んでいます。 [グラフ]労働者の心身をむしばむパワハラ ── 黙認されやすい「精神的な攻撃」
井ノ原さんの発言に反響
以前の番組内で、一緒に司会を務める有働由美子アナウンサーに対して、同僚の男性アナウンサーがその日の有働アナの装いを「熟女仕様」などと発言したことに、視聴者から「セクハラではないか」との意見が来たそうです。有働さん自身は「同僚という関係性があり、冗談だとわかる」から気にしないと答えたものの、イノッチは婚期の話題で有働さんをネタにすることなどにも触れて、「この人は強いからいいということじゃない」と提言。「そんなことで笑いが取れると思うのは大間違い」と、言葉のセクハラを“断罪”しました。 さらに、視聴者からの投書をもとにした再現VTR中に対しても「男がみんなこうじゃない」などと男気発言。ツイッターなどで「感動した!」「すごい!」と、イノッチを賞賛する言葉があふれたというわけです。 NHKの担当部署によると「議員の発言などでセクハラが改めてクローズアップされていることを受け、今回の番組を企画しました」とのこと。アンケートを実施すると、40~50代にセクハラで悩む女性が多かったことから「40代からのセクハラ」をテーマにしたそうです。
セクハラの定義とは?
厚生労働省の定義によると、そもそもセクハラには「意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受ける」対価型セクハラと、「性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じる」環境型セクハラがあります。具体的な「性的な言動」については、個人の感覚による部分があるので明確な定義は難しく、例えば親しさを表すつもりの言動だったとしても相手が不快に感じることもあるので、勝手な思い込みは禁物です。 職場でのセクハラ相談などを受け付けている東京労働局雇用均等室の下平佳子さんによると、番組で例に挙げられた有働さんのように年齢や婚期をからかわれるのは「女性にとって気持ちのいいものではありません。セクハラになるかどうかは、世の中の平均的な感覚を基準に判断してください」とのこと。当然ですが「テレビで有働さんは笑っていたから、このくらいは大丈夫だろう」などと考えるのは、イノッチが言うように「大間違い」かもしれません。