パックご飯が今アツい! 備蓄食でも注目、“コメ王国”新潟で企業競争激化 増産からオーダーメードまで…各社の戦略は?
備蓄意識の高まりや簡単に食べられる食品へのニーズを背景にパックご飯が売れている。食生活に定着し市場は広がる傾向で、米どころの新潟県内でもメーカーが増産して需要拡大に応える。オーダーメードのパックご飯を製造する企業への引き合いも急増。ラインアップが拡充し、競争が激しくなる中、各社は「コメ王国」の強みを生かして需要の取り込みを図っている。 サトウ食品の「サトウのごはん」も好調だ。1食分ずつガス釜で炊く独自製法で、ふっくらした食感が特徴。24年4月期の包装米飯類の売上高は前年比11・0%増の261億6100万円だった。 2024年も1月の能登半島地震や、8月に南海トラフ地震臨時情報が発表されたことでさらにニーズが高まった。23年の猛暑などに伴い店頭でコメが品薄になり、代替品としても購入されている。 需要増に応えるため、19年に稼働したパックご飯専用工場「聖籠ファクトリー」(聖籠町)の生産ラインを24年2月、1から2に増やした。さらに26年12月の稼働を目標に、聖籠ファクトリー敷地内に新工場を建てる計画を進めている。 県内3工場でパックご飯を生産する越後製菓(長岡市)は「備蓄用などでまとめ買いが増えている」という。22年に小千谷工場(小千谷市)の生産ラインを2から3に増設。23年秋からは人員を手厚くして工場の稼働率を1割アップした。 力を入れているのが、県産コシヒカリを使った「日本のごはん」シリーズだ。1食120グラムの食べきりサイズを丸形にフィルム包装しており、一般的な四角いトレーよりも、ごみを減らせるメリットがある。 生産者や企業がオリジナルのパックご飯を作る例も増えている。 持病がある人向けに低タンパク米などのパックご飯を製造するバイオテックジャパン(阿賀野市)は、生産ラインを活用してオーダーメードの注文を受けている。2023年末から24年春にかけて、自社サイトなどで紹介したところ、それまで年に数件だった問い合わせが月10件ほどに急増した。 自作のコメをパックご飯にしたい生産者のほか、企業からも輸出用や乳幼児用など、さまざまな開発依頼があるという。最少で1000パックから注文を受けており、県外からの引き合いも多い。
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