洗車機もボディカバーも使用不可!? 流行りのマットカラーのお手入れや補修が想像の斜め上で大変すぎる理由とは?
メルセデスやBMWなどの輸入車を中心に流行が拡大中のマット(艶消し)カラー。その独特な質感はクルマに個性を求めるユーザーに人気で、最近では国産車でも「トヨタ GRスープラ/GRヤリス」や「ホンダ NSX」などが採用した。もっとも、オプション価格が場合によっては数十万円と高額なことに加え、メンテナンスを心配して二の足を踏むユーザーも多い。そこで、マットカラーを維持するうえで最低限気をつけなければならないポイントを見ていこう。 【写真をもっと見る(7枚)】 まず、マットカラーのメンテナンスで艶を出す通常のワックスはNG。マットカラーのせっかくの質感を台無しにしてしまうからだ。最近では専用のクリーナーも登場しているようだが、使用するメンテ用品はディーラーと相談しつつ慎重に選択したいところだ。 汚れ落としも通常のボディカラー以上に注意が必要。鳥の糞など塗装面を侵す物質は簡単に艶消しの質感を変化させてしまううえ、雨上がりの水滴も日光による悪影響を招く。水垢などによる染みも、コンパウンドが使用できないため除去が困難なことを覚えておきたい。保管時のボディーカバーも同じ部分が擦れることで質感変化につながる可能性がある。 想像がつくと思うが、洗車機も使ってはいけない。塗装面の微細な凹凸がマットカラーの肝だが、ブラシによる摩擦で容易に変質してしまうからだ。同じ理由で高圧洗浄機の使用も避けたい。柔らかいスポンジなどを使って丁寧に水洗いをしていくのが洗車の基本で、自分で丁寧にやるか、もしくは業者に頼むことになるだろう。 さらに、万一傷をつけてしまった場合には、部分塗装が著しく困難なことも覚えておくべきだろう。マットな質感を周囲に馴染ませるのは非常に困難だからだ。そのため、修正箇所によっては再塗装が広範囲に及ぶケースもあるようだ。 というわけで、マットカラーの愛車を綺麗に維持するなら、室内保管、こまめな手洗い洗車、丁寧な運転などが必須。タマ数がまだ少ないゆえにリセールが読みきれないことも留意すべきだろう。街中で美麗なマットカラーのクルマを見かけるとカッコよく見えるが、その裏では膨大な手間が掛かっているということを知っておきたい。
株式会社カービュー