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ラブリーサマーちゃん「広い世界に触れてみたい」過去・現在・未来に迫る:インタビュー

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 ピチピチロックギャルのラブリーサマーちゃんが16日、ニューアルバム『THE THIRD SUMMER OF LOVE』をリリース。2015年に1stアルバム「#ラブリーミュージック」、2016年11月にメジャーデビューアルバム「LSC」をリリースして迎えた通算3枚目となるフルアルバム『THE THIRD SUMMER OF LOVE』は、ブリットポップテイストを感じさせる、彼女が今鳴らしたい音が詰まった1枚に仕上がった。インタビューでは、4年の構想を経て完成した今作の制作背景に触れるとともに、過去、現在、未来について彼女の思考に迫った。【取材=村上順一】

ラブリーサマーちゃんのターニングポイント

――レーベルも移籍され、新たなスタートを今作で切ったと思うのですが、どのような心境ですか。  どの会社と契約したか、というよりもその会社の中の誰と組むのかが重要だと思っているので、あまり会社は気にしていないんです。でも、レーベルや会社のカラーや社風というのはあるなとは感じています。 ――人ですね。今回、過去と現在、そして未来についてお話しを聞けたらと思っていまして、これまでの音楽人生でどのようなターニングポイントがありましたか。  やっぱり最初に聴いたthe brilliant greenはターニングポイントでした。the brilliant greenを初めて聴いた当時も「これ(音楽)は私の人生のなかでかなり大切なものになっていくだろうな」とピンときていました。同時期にちょうど趣味が欲しかったので、ギターを始めたんですけど、その時にも同じような感覚があったのを覚えています。「ギター、生涯弾き続けていくだろうな」と、ギターを始めた初日に思いました。それで高校で軽音部に入ったんです。うちの高校は軽音部が2つあって、レベルが高い方はオリジナル曲とかをやって外のライブハウスでライブしていましたが、レベルの低い方は学外での活動はなく、演奏する曲もコピーでした。レベルが高い方の部にはthe peggiesがいて、私はレベルの低い方の軽音部に所属しました。私が入った方の軽音部だと私が一番ギターが上手かったんですよ。それで、井の中の蛙で「イケる!」と調子に乗ってました。でも、そうなると不満も出てきて。 ――もっとレベルの高いところでやりたくなって。  軽音部ではなかなかやりたいことが出来ないのが嫌になってきて。それで、外でバンドがやりたいと思って、mixiで募集を掛けていた男の子にコンタクトを取って一緒にバンドをやるようになりました。そこで初めて外の世界に触れた感覚があったんです。私が通っていた学校は中学、高校、大学とお嬢様学校で、肌に合わないなと感じていました。私が大切にしたい価値観と、同級生が大切にしたい価値観は違うんだろうな、というか。学外で友達を作るようになってからは、「コンサバな人生観以外の人生観が世の中に存在しているんだ!」と知って嬉しくなりました。 ――大海に出たわけですね。  はい。そのあと、ある男の子と出会うんですけど、その子からミックステープをもらったり、音楽のルーツの掘り方や、シーンについて教えてもらったのが大きくて、そこもターニングポイントになったところかなと思います。音楽を楽しく聴く方法みたいなものを知ることが出来たんです。 ――ちなみにギターアンプから音を出した時は、衝撃的じゃなかったですか。  最初に音を出したのはアコギだったので、エレキに変えた時は「スゴい!」とは思いました。でもそれはアンプの音に対しての「スゴい!」ではなくて、「エレキギターってアコギよりも簡単だな!」っていう衝撃ですね。セーハのコード、Fコードがキレイに鳴らせたことが印象的でした。アコギだと弦が硬くて、上手くならせたことがなかったので、Fコードが弾けてすごく嬉しくて感動したのを覚えています。エレキギターの音自体は、the brilliant greenを聴いた時に既に衝撃を受けていましたから。あとはミックステープに入っていたスマッシング・パンプキンズ(米・ロックバンド)のサウンドにも「おおっ!」って思いましたね。 ――音源から衝撃的だったんですね。そういえばCDとかフィジカルなものが好きなんですよね。  最高です。配信とかありますけど、いつ配信が停止して聴けなくなってしまうかわからないじゃないですか。手に持てる、所有できるというのが大きいです。音楽は本来形がないものだけど、C Dやレコードはそれに形を与えてくれますよね。ジャケットデザインやブックレット、どういう風に印刷しようかなども含め、アーティストやデザイナーさんのこだわりだったり、“意図の塊”だなと思うんです。  そうすると色んな事を注視するようになると思います。手触りなど含めて、自分の感覚をCDに向けているというのは、私にとってすごく贅沢な時間なんです。レコードはその最たるもので、大きいし、かさばるし、聴くまでは面倒くさいんですけど、棚から出してスリーブから出して、台にセットして針を落として……という、その一連の儀式をすることで、「今自分は音楽を聴いている!」という実感がすごい、没入体験になっていて。そうすると音楽をもっと楽しめる気がします。  今回、マスタリングの時に、ストリーミングになるとどのように音が変化するのかを、マスタリングエンジニアの山崎翼さんに教えていただきました。なんでも私のやっているような音像は、サブスクとかではラウドネスノーマライゼーション(一定以上は自動で音量を下げ、イコライジングを調整する仕組み)という規定があって、CDとは違う音になってしまうことがあるみたいで...。 ――音圧を稼いだ音源は特に影響を受けてしまうと聞いたことがあります。  そうなんです。でも私はこの音が好きなので、虐めないでって感じなんですけど(笑)。「心ない人」でファズを10台繋いでファズサウンドの壁みたいなものを作ったら、すごく好きになってしまって。それと整合性をとるために他の曲もそういう風にレコーディングしました。「心ない人」、「サンタクロースにお願い」、「どうしたいの?」、「LSC2000」は以前から録ってあった曲で、すごく良かったので今作の軸になった曲ですね。 ――今作のミックスダウンは時間が掛かったみたいですね。  時間を掛けました。あと、レコーディングも大変でしたね。私は歌も楽器もそんなに上手くないんですけど、たまに神がかったテイクもあるんです。それで、テイク選びや、録り直したりすることもすごく多くて。本当に2、3回録ってオッケーが出せる人に憧れますが、私はその対極にいて、下手くそなんですけど完璧主義者なんです(笑)。

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