NHKの「ネット受信契約(案)」が“ダークパターン”過ぎて見過ごせない件 一度“同意”したら取り消せない、は取り消しか
前回に続き、NHKが9月に公開したネットサービスの提供イメージ(案)にみられるダークパターンとみれる部分を指摘する。 【画像4点あり】NHKの資料にも「誤受信防止措置」の文字がある NHKは、「ご利用意向の確認」画面で「同意して利用する」ボタンを押した人は、これまでのテレビ放送でいう「テレビを設置した状態」となり、受信契約をしなければならない契約義務が発生するとしている。説明もなしに義務を負わせるなど普通はとんでもないことだが、さらにNHKの説明会に参加したAV Watchの記事によると、同意ボタンの「クリックの取り消しはできない」という主旨の発言があったという。例えば小さな子どもが誤ってボタンを押してしまったとしても契約しなければならなくなってしまう。 しかし、改正放送法第20条の3では、NHKの必須業務全てに対し「誤受信防止措置」を講じることを定めている。NHKは、視聴を目的としない者が誤ってその受信を開始することを防止するための措置を講じなければならない。 そこでNHKに「同意ボタンを押す(クリック)の取り消しをできなくする合理的な理由があれば教えてください。この措置は誤受信防止措置の設置義務に反していないのでしょうか?」と質問したところ、以下の回答があった。なお、回答中の(1)は、後で触れる受信料金発生のタイミングに関する質問と回答だ。 「(1)にお示ししたように、受信開始の確認ボタンはテレビの設置と同じ意味を持つことを十分に理解してから押していただくものと考えています。『テレビを設置した状態』になれば、ご理解いただき、ご契約をしていただくという、放送と同じ流れを想定しています。一方、そのような状態ではないのに、誤って押してしまった場合についても、無理やり契約を行うということではありません。現在検討中ですが、別途、対応することになると考えています。いずれにしましても、受信契約の対象となるサービスの受信開始の際の手続きなどは、なるべくわかりやすくお伝えしようと現段階でのイメージを作成したもので、今後も検討を続けます。放送法の規定に則り、それぞれの手続きの際に視聴者・国民の皆さまに誤解が生じることのないよう、さらに詳しい検討を進めてまいります」(全文ママ)。 一度「同意」したら取り消せない、は取り消しになったようだ。