深まるファッションとゲームの連携 プレーヤーが着る服とアバターに着せる服
2020年から新型コロナによるファッション業界への影響は著しく、“不要不急”のファッションは苦境を強いられた。ファッションの多くの伝統やイベントがデジタルで行われる中、業界が目をつけたのはゲーム産業だ。物理的な交流を必要としないゲーム産業は大躍進しており、中でもニンテンドースイッチ用のゲーム「あつまれ どうぶつの森(以下、「あつ森」)」は爆発的な人気を集めた。これまでもeスポーツと関連した動きや、ゲームのキャラクターとコラボした製品もたびたび登場していたが、20年はランウエイの代わりにゲームアバターが自己表現の一部を担うなど、仮想世界との深い関わりが見られた。 【画像】深まるファッションとゲームの連携 プレーヤーが着る服とアバターに着せる服
「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「アナ スイ(ANNA SUI)」といったブランドは、「あつ森」内で着せ替えができるマイデザインを公開している。一方、マッシュスタイルラボの「ジェラート ピケ(GELATO PIQUE)」は、11月にリアルに着られる「あつ森」とのコラボルームウエアコレクションを発売した。コラボレーションコレクションの制作に携わったプロジェクトチームの3人は元々学生時代から「どうぶつの森」シリーズのユーザーだったこともあり、リモートワーク期間中も自宅でゲームをプレイしながらマイデザインの作成をするようになったという。その画像をブランドの公式インスタグラムに投稿するにあたり、任天堂に相談したことがきっかけで同コラボレーションが誕生した。
「ジェラート ピケ」の巻島彬子企画部サブディレクターは、「緊急事態宣言を受けて店舗は長期休業をし、売り場を開けることができなかった。そんな中『あつ森』は店舗がなくても『ジェラート ピケ』のアイテムをユーザーに届けられるので、ファッションとの融合性が非常に高く、新たな顧客層を獲得するのにとても有効な手段だと感じました。ゲームユーザーもお気に入りのゲームキャラクターのTシャツをリアルで着ることを楽しんでくださっていますし、この2つの業界はお互いを支え合うプラットフォームになると思います」とコメント。