はんにゃ川島「ニッチで誰もいないところを進むと自分の道が開ける」だしパックダイエットを考案、食と家族の大切さを語る
お笑いコンビ「はんにゃ」のツッコミ担当・川島章良さんといえば、かつてはぽっちゃりした体型がトレードマークでした。 しかし写真を見てもらえれば分かるとおり、現在はスリムで精悍な佇まい。 それもそのはず、自ら考案した「だしパックダイエット」によって3カ月で-12キロのダイエットに成功したのです。 その後も、だしパックの中身を使った料理を食べ続け、コロナ禍の自粛期間中は外食が減ったのもあって、現在はピーク時の体重からー18キロの64キロになったそうです。 ダイエットを始めた背景には、結婚直前の2014年11月に発覚した腎臓がんの影響がありました。手術は成功したものの、家族と健康の大切さを痛感し、食生活を見直した結果、たどり着いたのがだしパックダイエットでした。 祖父と叔父が京懐石の料理人で、小さい頃から料理に慣れ親しんできたという川島さんに、病気がきっかけで変化した人生観、料理人を目指した過去、だしパックダイエットを考案したきっかけなどを伺いました。
☆川島章良(かわしま・あきよし)さん 1982年1月20日生まれ。埼玉県出身。お笑いコンビ・はんにゃのツッコミ担当。だしソムリエ1級、ダイエット検定1級、食育アドバイザーなど、食や育児、健康に関する12もの資格を取得。2020年5月に初のレシピ本『だしパックを入れるだけ!がまんなしでやせる はんにゃ川島の魔法のだしパックダイエット』(扶桑社)を出版。
プロポーズ直前に腎臓がんの告知を受けた
──病気のお話から伺いたいのですが、どういうきっかけで腎臓がんが発覚したんですか? 川島:お付き合いしていた妻が妊娠したので、結婚しようという話になったんです。当時の僕は暴飲暴食で太っていて、かなり腹が出ていたので、妻から何気なく「病院に行ったほうがいいんじゃないか」って言われたんですよ。 ──特に体の不調があった訳ではなく? 川島:体調自体は何も問題がなく元気でした。それに腎臓がんは、症状が出たときには末期なんです。お医者さんにも「奇跡的に見つかりました」と言われました。奥の奥にある臓器なので、見つかったときは進行していることが多くて、ステージ1でも場所が悪いと全身転移しやすいんです。 ──腎臓がんは年配の方がなるイメージですけどね。 川島:当時、僕は32歳だったので、かなり早いほうだと思います。 ──どのように、がん告知を受けたんですか? 川島:軽い気持ちで健康診断を受けただけなので、大病を患っているとは夢にも思わず、プロポーズをするために妻と温泉旅行に行ったんですよ。妻がお風呂に入っている間に、プレゼントをふすまの中に隠して待っていたら、お医者さんから「次に来診するときはマネージャーさんとご両親を連れて来てください」というLINEが来たんです。 ──それは嫌な予感がしますね。 川島:ドラマなんかで見るやつじゃないですか。それで慌ててお医者さんに電話をしたら、腎臓がんの疑いがあると。気軽に受けた健康診断がヘビー級のパンチで返ってきました。もうプロポーズどころではなく、頭の整理をするのがやっと。すぐにスマホで腎臓がんを調べたら、全身転移しやすくて、死亡率も高いと書いてあるから、瞬時に死をイメージしました。もう生きられないんじゃないかと……。 ──すぐに奥様には伝えたんですか? 川島:その場では言えなかったです。妻には言わないほうがいいんじゃないか、子供も生まれてこないほうがいいんじゃないかと葛藤しました。でも、ひとりで抱え込むのも辛いから、旅行から帰った直後に伝えました。 ──奥様はどんな反応でしたか? 川島:取り乱して号泣するかと思ったら、「今から生まれてくる子供が見つけてくれたんじゃない?」と言ってくれたんです。「私も出産で痛い思いをするだろうから、一緒に痛みと戦おう」と明るい言葉をかけてくれて。子供は生まれてこないほうがいいなんて考えてしまった自分を恥じましたし、感情が死に傾いていたので救われました。 ただ、そのタイミングで旅行中に渡せなかったプレゼントを渡してプロポーズしたら、「今じゃない」と言われました。さすがにプロポーズとがん告知の2つを受け入れるのは難しかったようで(笑)。