除菌液のミストシャワー、「健康に害も」「人体への噴霧は不適切」 体操大会の感染対策に厚労省や保健所が苦言
大会主催者「人体への影響はないものと説明を受けたため、設置」
大会を主催した日本体操協会はこうした事実を把握した上で、除菌液を空間噴霧したのだろうか。 同協会の広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に「ご提供いただける企業があり、説明内容などをお伺いし、常時噴霧されるものではなかった、人体への影響はないものと説明を受けたため、設置に至りました」と説明した。 大会運営にあたり「専門家からのアドバイスはいただいていた」としつつ、「こちらの設置機器に関しての『薬剤』の噴霧に関して、詳細な検討を出来ないままの設置となった」とした。 WHOや厚労省が空間噴霧を推奨していないこと自体は理解していたが、「常時噴霧しているものではなく、個別のボタン式の噴霧式のため設置」した、という。 「提供企業からの説明では人体に噴霧しても安全であるという説明を受けています。現在、当該業者に明確な成分のデータを求めているところです。詳細なデータを提供業者に提出いただき、監督官庁に説明に伺う予定です」 今後の対応については、以下のように語った。 「今後の大会開催、運営におきまして、専門家による、『感染予防対策』のための設備機器の検証を、改めて想定していく準備をしております。また、WHOなどの新型コロナウイルス感染対策に加えて、環境衛生の専門家からもアドバイスを受けながら、環境、人体への影響も十分に配慮した対策をとる所存でございます」
保健所「人体に噴霧する相談は受けていない」
東京都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者は東京都の職員と小池都知事は現地を視察し、選手や来場者の安全を確保するための対策が行われていると説明を受けたとBuzzFeed Newsの取材に語った。 問題となった小池都知事のTwitterでの発信も「知事が実際に体験したものをツイートしたもの」とし、「安全性を確認した上で対策が行われていることを協会から説明を受けていた」という。 その後、11月16日に日本体操協会からこの除菌液の空間噴霧について説明を受けたといい、「協会が渋谷区保健所に説明したところ、この成分は禁止されているものではないと説明を受けていたと聞いている」と言う。 渋谷区保健所は日本体操協会に対し、何を語ったのか。 保健所の担当者はBuzzFeed Newsの取材に「体操協会から、人体にこうした除菌剤を噴霧することについては相談を受けていない」と語った。 「人体にミストシャワーの形で噴霧していたと聞いて、驚いた」という。 「体操協会からは、会場での感染対策について事前の情報共有を受けていました。そこでは他の国際大会での一般的な対応を踏まえて無人の場所で除菌剤を噴霧をするという説明があったので、禁止されてはいないとお伝えしました。 担当者は「仮に(人体に向けて噴霧すると)相談を受けていたら、人体への噴霧は不適切ですとご回答したと思います」と語った。