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在特会元幹部の京都朝鮮学園名誉毀損で控訴棄却 大阪高裁「ヘイトが公益」維持

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週刊金曜日

 ヘイトスピーチをしたとして名誉毀損罪に問われた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)元幹部の西村斉被告(51歳)の控訴審判決で、大阪高裁(長井秀典裁判長)は9月14日、罰金50万円とした京都地裁判決(2019年11月)を支持し被告側の控訴を棄却した。一方、ヘイトスピーチが「公益目的」と受け取れる地裁判決の認定は維持した。  判決によると、被告は17年4月、京都市南区の京都朝鮮第一初級学校跡地の近くで「ここに日本人を拉致した朝鮮学校があった」「その朝鮮学校の校長が拉致した」などと拡声器で発言し、その様子を動画投稿サイトに流すなどして、同校を運営していた京都朝鮮学園の名誉を傷つけた。被告側は同校ではなく朝鮮学校一般を指して拉致事件に言及したとして無罪を主張。判決は「発言が同校を指すのは明らか」として退けた。西村被告側は「表現の自由を萎縮させる不当判決」として上告する方針。  控訴審の注目点は、ヘイトスピーチが公益目的とする論理矛盾を判決でどう判断するかだった。一審判決は求刑の懲役刑を罰金刑に減じた理由を「拉致事件に関する事実関係を明らかにするという目的で名誉毀損行為に及んだもので、公益を図る目的があった」とした。朝鮮学園側の弁護士らは控訴審に向け「公益目的ではなく差別目的と認定し直す」とする全国の弁護士有志による声明文を大阪高検に提出するなどしたが、高裁は地裁判決の認定を維持した。  判決後の朝鮮学園側会見で冨増四季弁護士は「差別を受けている側に被害を与える行為がなぜ『公益目的』なのか。被害者の声が入っていない。司法が差別に加担していると言わざるを得ない」と批判。朝鮮学園の趙明浩理事長は「裁判所は被告の『フェイクな弁明』を鵜呑みにして『公益性』を認めた。刑事司法によるこうした判断は日本の差別社会の現実を反映している」との声明を発表した。 (平野次郎・フリーライター、2020年9月25日号)

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