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「陽性者との接触確認」 アプリから記者に通知 「私も感染?」不安渦巻く体験記 新型コロナ

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熊本日日新聞

 「陽性者との接触確認 1件」。新型コロナウイルス感染者との接触確認アプリ「COCOA(ココア)」から突然、スマートフォンに通知が届いた。「感染した?」「これからどうなるの?」。不安が一気に押し寄せてきた。通知からPCR検査の結果判明までの体験を報告する。(中村悠) 熊本県の新型コロナウイルス感染状況一覧

■1週間以上前、「接触」の時間や場所は分からず 【2日午前0時半】  紙面編集の内勤業務を終え、熊本市内の1人暮らしのマンションに帰宅。直後にスマホの通知に気付いた。「まさか」。外出も飲み会も極力控えてきたのに。  アプリ上では接触は「8月24日」。1週間以上前だ。時間や場所は分からない。アプリの選択画面に沿って「症状を入力して相談」→「症状なし」に続き、2週間以内に身近に接した人で感染者がいるかの問いを「いいえ」と回答した。  すると「14日間は体調の変化に気を付けてください」と表示された。「えっ、普通に生活していいの?」。拍子抜けした。  だが不安は消えない。今度は最初の画面の「電話で症状を伝えて相談」を選択。専用のコールセンターの番号が表示された。 【午前9時】  起床後すぐにコールセンターに電話。症状などを聞かれ、市保健所の電話番号を案内された。アプリでも「症状あり」を選ぶと保健所の電話番号が表示される。  接触確認日の8月24日は午前中は外出せず、午後4時半ごろに家を出た。通勤途中にコンビニエンスストアに立ち寄り、午後5時前に出社。勤務後は真っすぐ帰宅した。熊日社内で陽性者は出ていない。いつ、誰と接触したのか? 【午前9時20分】  市保健所に連絡。PCR検査を希望した。県内はアプリで接触確認されれば、希望者は無条件で検査が受けられる。ただ、その場で検査日時は決まらなかった。

 この日は偶然、休日だったが、何日も自宅待機が続けば職場に迷惑がかかる。「同僚にうつしていないか」も気掛かりだ。 【午後4時45分】  市保健所から電話があり、翌3日午前中の検査が決まった。検査場所までの交通手段を確認された。「自家用車」と伝えると、車種やナンバー、色などを詳しく聞かれた。  検査場所は中央区の市有施設の駐車場。建物に入れず、トイレも使えない。道中の立ち寄りは禁止。検査は唾液を採取する方法で、30分前から喫煙、飲食、歯磨き、「イソジンを使ってのうがい」を避けるよう指示を受けた。 ■保健所に指定された駐車場でPCR検査 【3日午前11時】  検査場所の指定駐車スペースに到着。防護服姿の係員が現れ、少し開けた車の窓から検査キット(長さ約10センチ)の透明容器が手渡された。会話は禁止だ。  市新型コロナウイルス感染症対策課によると、唾液検査は主に無症状の人が対象。鼻に細長い棒を挿入する、あの「痛そうな」方法でなくて良かった。  容器半分ほどに入った唾液採取用のコットンは印鑑大の円柱で、説明書きには「舌の下などに入れ、唾液を染み込ませる」とある。ただ、舌の下に入れるには大き過ぎ、口の中で転がした。約5分後に同じ係員が密閉袋を持って再登場。検査は10分ほどであっさり終わった。 【午後】  検査結果は翌日か翌々日に電話で通知されるという。「陽性」の場合を考え、入院準備。家の生ゴミや冷蔵庫の食品も片付けた。

■「陰性」の結果に安堵、「誤作動では?」疑念も 【4日午後0時半】  保健所からの連絡。「陰性」と告げられた。電話を終え、長いため息が出た。アプリの通知を確認してから2日半。自分の体以上に、職場や家族、知人にうつしていないと分かり一番ほっとした。  結局、どこで誰と接触したのか分からないまま。誤作動だったのではとの疑念も晴れない。ただ、「感染リスクは思っている以上に身近にある」と身に染みた体験だった。

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