なぜ井岡一翔の“リトル・パッキャオ”福永亮次との“代替大晦日マッチ”が急転決定したのか…使命感と延期統一戦への布石
10月に無敗の梶颯(24、帝拳)を判定で破り、「世界へ行きたい」と井岡との対戦を熱望していた。2013年にデビュー、2016年に全日本新人王を獲得し、昨年2月にWBOアジアパシフィックタイトルを獲得した”遅咲き”だが、19戦15勝(14KO)4敗の高いKO率を誇る。 来年1月15日に後楽園ホールで日本同級9位、WBOアジアパシフィック同級12位の中村祐斗(24、市野)との対戦が組まれていたことだけがネックだったが、事情が事情だけに、中村陣営も興行のプロモーターサイドも世界戦を優先させることを了承した。 福永にとっては15日前倒しの試合となるが、その試合に向けて準備に入っていただけに、約2週間前の緊急決定にもコンディションを整えることに問題はないと見られている。福永も所属ジムを通じて「大みそかまでに完璧に仕上げます。人生をかけて、人生を変えます」とコメントした。 映画「ロッキー」では、対戦相手が負傷した世界王者のアポロ・クリードから、急遽、挑戦者に指名されたロッキー・バルボアが、結果的には判定負けを喫するが、ファンの感動を呼ぶ名勝負を演じた。まさに“リアルロッキー”とも言える大チャンスを手にした福永が、「人生をかけた」初の世界戦でどんなファイトを見せてくれるのか。井岡は20日、福永は21日に記者会見を開く予定となっている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)