なぜ多い? 信州、九州の「高校弓道部」 長野県は“全国3番目”…アニメの参考地にも 99校中78校に設置 背景を探った
特集は高校の弓道部です。長野県内の高校に弓道部がある割合、実は全国3番目の多さです。高校や専門店は、映画化もされるアニメの「参考地」にもなっています。信州で弓道の部活が盛んな理由を探ってみました。
呼吸を整え、狙いを定める。 矢を的にあてる技術を競う弓道。心身を鍛える武道の一つでもあります。 長野市で開かれた高校総体の県予選。こちらは5人が4本ずつ、矢を放つ団体戦です。 10人が一列に並び、矢を放ちます。場内は張り詰めた空気です。
選手: 「(プレッシャーは?)やばいです、恐ろしいです。(当たった時は?)達成感、報われた感があってうれしいです」 「人が当てなかったら自分が当てたり、自分が当てなかったら周りの人が当てたり、支えあってチームが一帯となってできるのがいいところかなと」
「的中数」を競うだけでなく、弓道では作法も重要。「射法八節」といわれる立ち方、構え方、矢を放ったあとの姿勢など8つの基本動作があり、段位や級位の審査の際、重視されます。(1.足踏み 2.胴造り 3.弓構え 4.打起し 5.引分け 6.会 7離れ 8.残心) 他の武道やスポーツにはない、独特の雰囲気を持つ弓道。今、じわじわと人気が出ています。
高校の弓道部を舞台にしたアニメ「ツルネ」。テレビ放送が好評で2022年8月には「劇場版」が公開されます。小説が原作で、アニメ化にあたっては長野県内の高校や専門店が「参考」にされました。
「参考地」の一つになった長野高校弓道班。冒頭の県予選では団体戦で男女アベック優勝を果たしました。 実は信州は弓道の部活動が全国的にみても盛んで、それがアニメの参考になった理由のようです。 高体連の資料をもとに弓道部の設置率を計算すると、信州は鹿児島、宮崎に次いで全国3番目の多さ。99校中78校と8割近い設置率です。4位は僅差で熊本でした。
長野高校弓道班・神津明男顧問: 「他県に大会にいきますと、割と長野県のチームは毎年違ったチームが出てくる。他県だと数が少ない県もあって、県によっては毎回同じ学校というのもあるので、長野は多いと感じる」 なぜ、九州と信州で高校の部活動が盛んなのでしょうか。 弓道に詳しい東北学院大の黒須憲教授に聞きました。