【性行為を撮影・保存】教え子への性的暴行で懲役9年判決・元校長が手を染めた「卑劣すぎる犯行手口」
「時効」を主張も…
14年前、勤務していた中学校の校内で、当時14歳だった女子生徒Aさんに性的暴行を加えてケガをさせたとして準強姦致傷の罪に問われた東京都練馬区立中学校の元校長・北村比左嘉被告(ひさよし・57)。 【画像】職員アルバムでは笑顔も…教え子に性的暴行・撮影の元校長「戦慄の素顔写真」 北村被告はAさんへの性的暴行のほか、別の女子生徒Bさんへのわいせつ行為も撮影し所持したとして、児童ポルノ禁止法違反の罪にも問われていた。 北村被告の弁護人は裁判員裁判において、Aさんのケガは医師による診断書などがなかったため「本当にAさんはケガを負ったのか」と指摘。準強姦致傷罪の控訴時効が15年であるのに対し、準強姦罪の公訴時効が10年であることから、「ケガをしていなかった場合、時効が成立する」と主張していた。 Aさんへの準強姦致傷が認められるかが裁判の大きな争点となっていたが、12月9日、東京地裁は「上下関係を利用した行為であり非常に悪質」とし、北村被告に懲役9年の判決を言い渡した。 裁判においてAさんは自ら証言台に立ち、北村被告から受けた被害について詳細に打ち明けている。 「中学2年の春から夏にかけて、北村先生に『マッサージをしてあげる』と第一理科準備室に呼ばれました。初めはジャージの上から太ももやふくらはぎを触っていたのですが、何度も呼ばれるうちに、ジャージの上から陰部を触ったり、下着の中に手を入れてきたりするようになったのです」(Aさん) 北村被告の行為は、ここからさらに悪質化していった。 ◆動画に収められた「蛮行」 「ある日、第一理科準備室に呼ばれて行くとソファベッドが置いてあって、そこで服を脱がされるようになりました。さらに、手で触るだけではなく、機械を使われるようになりました」(Aさん) あろうことか、北村被告は学校に電気マッサージ機などの器具を持ち込んでいたのだ。Aさんは、当時のことをこう振り返った。 「マッサージ機はけっこう痛くて、しかも大きな振動があるので、下腹部にすごい不快感がありました。私は自分がされていることを見るのが嫌だったので、視界に入らないように天井や真横を見ていました」 自分がされていることをあえて見ないようにしていたため、北村被告がローターを使う様子や避妊具なしで性行為に及んでいたことを、Aさんは今回、動画を確認するなかで初めて知ったという。 検察官の「性的行為を行うなかで、被告人からこの行為についての説明はありましたか」という質問に対するAさんの答えは、耳を疑いたくなるものだった。 「(北村被告に)『この行為は好きな人同士がすることであって、別に恥ずかしいことではないし、素敵なことなんだよ』と言われました。また『脳の中の、勉強で使ってる部分とは違う部分を使うことによってリラックスできて、勉強の効率も上がるよ』と説明されたこともあります」 Aさんは、北村被告から受けた被害を親など周囲の人たちに説明することができなかった。その理由については、こう述べている。 「自分がされたことを説明するのが恥ずかしかったからです。それに親に相談すると、親が悲しむだろうし、別の先生に相談すると、学校全体を巻き込んだ大ごとになるんじゃないかという不安もありました。そのころには中学校の間だけ、我慢してやり過ごせばいいんだと考えていました」 ◆「激務のストレス」と釈明 結局、北村被告からの性的暴行は中学3年の夏まで続いたという。 出会った当初、Aさんは北村被告のことを、「(担当の)理科の授業はわかりやすく教えてくれました。板書もきれいだった」と教師として尊敬していたという。だが、性的な行為をされるようになってからは、「心底、嫌な人。軽蔑しています」という存在となっていた。 11月28日に行われた第3回公判の中で、北村被告はAさんとの関係をどのように認識していたのか問われている。 「当時の私の考え方は、激務のストレスもあり、普段から接している中学生のように幼くなっていたということです。それで、Aさんが中学生であるということすら考えられなくなって、ひとりの女性として好きになり、Aさんにも好かれて、お付き合いをしているような錯覚に陥っていました」(北村被告) この日の公判の終盤では、北村被告の妻であるCさんが情状証人として出廷。妻が証言台へ歩みを進める途中、北村被告が顔をゆがめ、涙する場面もあった。裁判中には、こう言い残している。 「もう償いなんてできないと、死ぬことも考えました。しかし、警察や検察の方に、反省して本当のことを話すことが償いの第一歩だと言われ、ここに立っています」 いまになって、自分の犯した罪の重さに気づいたのだろうか。被害生徒の将来を踏みにじった行為は、決して償いきれるものではない。 取材・文:中平良
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