有村架純「新しい世界が広がってくれたら」 主演作『前科者』封切りに感無量
罪を犯した前科者たちの更生・社会復帰をサポートする保護司の姿を描いた映画『前科者』の公開記念舞台挨拶が1月29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の有村架純、共演する森田剛、磯村勇斗、若葉竜也、岸善幸監督が出席した。 【全ての画像】『前科者』公開記念舞台挨拶の模様(全6枚) 原作・香川まさひと、作画・月島冬二によるマンガをドラマ化&映画化した社会派ヒューマンドラマ。有村は保護司の主人公・阿川佳代を演じ、「本当に忘れられない2カ月の撮影だった。ぎゅっと凝縮した濃厚な時間をスクリーンで感じ、いろんな日々が走馬灯のようによみがえった」としみじみ。「共感してもらえるか、してもらえないかじゃなく、それぞれの考え方によって、人と関わるその先に、新しい世界が広がってくれたら」と感無量の面持ちだった。 保護司という役どころについては「対象者との距離感もそれぞれですが、あまり深入りせず、見守るのが正当なルール」と前置きし、「佳代は何か突き動かされ、衝動的な部分もあるが、見返りを求めずに人のために笑ったり、怒れるのはすばらしいこと。私も誰かに手を差し伸べたり、寄り添うことができれば」と役柄への思いを語っていた。 森田は更生し社会復帰へ近づいていたが、ある日忽然と姿を消し、再び警察に追われる身となる男・工藤誠を演じ6年ぶりの映画出演。「自分の中にずっと役が残っている感覚」とこちらも強い思い入れを示し、「いいセリフ、いい言葉がたくさんあるので、たくさんの人に届いてほしい」と映画に込めた願いを明かしていた。 劇中では有村が森田を“ビンタ”する重要なシーンがあり、「感情のピークなので、逆算じゃないですけど、そこまでどう気持ちを積み上げるか考えた。当日はビンタするという“任務”のことしか考えられず(笑)。」と回想。「でも、とにかく気持ちをこめてやらないと痛いだけになってしまうので、とにかく本気で『やるぞ』と心に決めた」と舞台裏のエピソードを披露した。一方の森田は「重いやつでしたね」と有村のビンタを振り返り、「おかげで僕が演じる誠が、もう1回生きてみようと思うシーンになった」とこん身のビンタに感謝していた。 取材・文=内田涼