蚊にもマタタビ?(6月28日)
梅雨なのにこうも暑い日が続くと、羽化が進むのか。知人は夜ごと蚊に悩まされているという。寝床の奮闘ぶりに自分の眠れぬ一夜をつい重ねた▼知人いわく。渦巻き香やスプレーで遠ざけようとしても、生命力の強いやつがいる。手でパチンとやるも、難なくかわされる。手の届かない場所を狙ってくるのも始末が悪い。観念して布団に潜るが、寝苦しくてたまらない。知らぬ間に刺され、かゆくて何度も目が覚める▼炭酸ガス、体温、においが蚊を引き寄せる三大要素といわれるが、それだけではないらしい。米プリンストン大などの研究チームによると、ネッタイシマカは人と動物のにおい成分を嗅ぎ分けた上で人を狙うという。日本にいる近縁種のヒトスジシマカにも同じ能力があるのでは、と考えるとぞっとする▼マタタビの葉は傷がつくと、蚊の嫌がる成分が増える。岩手大などのチームは、ネコがじゃれるのはこの成分を体につけて「蚊を避けるため」との研究結果を先ごろ発表した。新し物好きの知人は、いずれ枕元にマタタビを置いて効果を試してみるらしい。好奇心には敬服するが、人間の浅知恵だったと翌朝、知るはめにならねばいいが。