横浜ビー・コルセアーズの森井健太が振り返る開幕節「チームを勝たせるために何をすべきかが出た試合」
「緊張とかではなく『やってやろう』という高揚感」
文=佐保めぐみ 写真=B.LEAGUE 今夏に横浜ビー・コルセアーズに移籍した森井健太は、オフシーズンの取材で「勝たせられるポイントガードになりたい」と語っていた。2020-21シーズンの開幕戦の相手は3シーズン半を過ごした古巣、新潟アルビレックスBB。「すごく楽しみ」と語っていた五十嵐圭とのマッチアップがさっそく実現した。1勝1敗に終わった開幕節で見つかった課題と収穫について、森井に聞いた。 ──新潟との開幕節は1勝1敗となりました。 ヘッドコーチや外国籍選手がまだ揃わない中での開幕戦で、チームとしても不安な気持ちはありました。それでも、今いるメンバーで「やってきたことを出そう」という目標の下で開幕戦を迎えました。そういった意味では、自分たちがやって来たことを出せた時間帯もあったので、チームとしてもプラスの方向に向かっていることを感じました。 今シーズンの横浜はディフェンスをすごく強調していて、「ハードに守ろう」とチームで話しています。ポイントガードの僕が試合の出だしからハードにディフェンスする姿を見せて行けば、チームに勢いが出るし、やるべきことを示せると思い試合に入りました。 ──確かに開幕戦の出だしはハードなディフェンスが印象的でした。それでも開始5分で2ファウルになってしまったのは、古巣との対戦ということで気合いが入った結果でしょうか? 新潟との試合で、正直なところ自分の思いはすごく強かったです。普段は自分の感情を殺せる方だと思っていますが、この試合では緊張とかではなく『やってやろう』という高揚感がすごいと自分でも感じていました。ただ、スタートで出ているのに最初からファウルトラブルになってしまうのは良くないですし、そこは課題です。それでも良い緊張感の中で試合ができたことで、良いパフォーマンスを見せられました。そこはこれからも生かしつつ、ファウルの線引きなど含めてもっとスマートにプレーしないといけません。 ──開幕戦はただでさえ緊張すると思います。それでも森井選手にとってアオーレ長岡は慣れ親しんだ会場です。アウェー感があったのか、それとも慣れ親しんだ会場でプレーしやすかったのか、どちらですか? 同じ会場でもホームとアウェーでは更衣室が違ったりするので、いつもとは違う感じがしましたね(笑)。ですが、僕が良いプレーをした時は、敵なのに拍手も大きくてすごく温かく見守ってもらったと思います。そういう部分では僕もすごく楽しかったですし、成長した姿を見せたかったので良い開幕戦になりました。 ──勝利した第1戦では3ポイントシュート4本中3本成功でした。昨シーズンはそこまでアテンプトが多くなかったためか、3ポイントライン辺りでのマークが厳しくなく、簡単に打っていた印象でした。 新潟がどう守って来るのかという予想もだいたいついていました。それにマッチアップが圭さんだったので、僕の弱点も強みも知っている中で守って来るだろうなという準備はできていて。練習でやってきたイメージ通りのシュートを思いっきり打てたことは、今後の自信にもなります。新潟でやってきたことの延長線に今があるので、その経験を生かさないといけないし、試合で見せることができた点は良かったですね。逆にまだまだの部分もあったので、次に対戦する時にはさらに進化した自分を見せたいです。 ──マッチアップをした五十嵐選手とは何か会話がありましたか? 試合中に「シュート入ってんな」みたいなことを言われました。でも自分はまだまだですし、大先輩なのでちゃんと謙遜しました(笑)。練習ではなく公式戦で圭さんと対戦してみて、あらためて終盤でのゲームコントロールだったり、勝負が懸かった場面でのパフォーマンスはすごいと思いました。でも、そう思うだけじゃなくて、圭さんを追い越したいです。そういう部分は僕自身、これから詰めていかなければいけないですし、実際に競った場面でウチが負けてしまったので、そこはガードの自分の責任だと思っています。