実用的で速いマルチな才能の車とは? 年代別ホットハッチ3選
日欧の印象的なホットハッチを年代別に振り返る
ハッチバックのコンパクトカーをベースに、高性能なエンジンとチューンナップされた足まわりを搭載したモデルのことを「ホットハッチ」と呼び、1970年代の後半から欧州で人気となり、いまも愛されています。 【画像】実用的なのに速くてカッコイイ! 印象的なホットハッチを見る(18枚)
日本でも国産車の高性能化が一気に進んだ1980年代以降、各メーカーからホットハッチが続々と登場し、若者を中心に支持されました。 そこで、印象的な日欧のホットハッチを、年代別に3車種ピックアップして紹介します。
●フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」
世界の自動車史に残る名車であるフォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」の後継車として、1974年に初代「ゴルフ」が誕生。 新世代の大衆車として開発されたゴルフは、駆動方式にFFを採用したことでコンパクトボディながら広い室内を実現し、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるシンプルな外観デザインと優れたパッケージングが高く評価され、後にFFコンパクトカーのベンチマークとなりました。 ボディタイプは3ドアと5ドアのハッチバックで、発売当初は1.1リッターと1.5リッターエンジンを搭載。後に1.3リッターや1.6リッターディーゼルなど、多彩なエンジンバリエーションを展開しました。 内装も外観同様にシンプルながら、空調のスイッチやラジオなどをメータークラスター周辺に集中して配置するなど、機能的にデザインされていました。 そして、1976年には110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載する高性能モデル「ゴルフGTI」が登場。トランスミッションは4速MTのみ(後に5速MTにスイッチ)です。 フロントがストラット、リアがトーションビームの足まわりも強化され、前後スタビライザーを装備して車高を15mmダウン。ブレーキもフロントがベンチレーテッドディスクに変えられ、タイヤも専用に175/60R13が奢られました。 最高速度は182km/hをマークし、高い運動性能を発揮したことから欧州ではたちまち人気を獲得し、最終的には46万1690台を販売する大ヒットを記録。 初代ゴルフGTIは元祖ホットハッチといわれ、そのコンセプトは歴代ゴルフGTIに受け継がれています。