パートナーと一緒に寝る?別々に寝る?心理学的に見た「セックスレスになりにくい寝室環境」とは
性の悩みは、こころと身体が影響しあう問題であるにも関わらず、悩んでいても「誰にも言えない」そんな人が多いようです。SNSを中心に性の悩みに関する情報を発信する臨床心理士の西田めぐみさんが、心と性にまつわる大切なお話を連載形式で綴ります。 ---------------------- これからパートナーと一緒の生活が始まる。そんな時、みなさんも悩んだことがあるのではないでしょうか。それは寝室環境。大きなベッドで一緒に眠るのか、それとも別々のベッドを並べるのか、はたまた別の部屋でそれぞれ眠るのか。 それぞれいい点がありますし個人の好みもあるかと思いますが、今回は“セックスレスになりにくい寝室環境”という視点で、心理学的にはどのような寝室がオススメかお話していきます。
日本では、セックスレスのカップルが増加している
現在、日本では夫婦の2組に1組以上はセックスレスと言われています。また、日本家族計画協会の「男女の生活と意識に関する調査」では、2004年から2016年にかけてセックスレスの夫婦の割合は右肩上がりに増えていることが分かっています。 ちなみにセックスレスの定義は「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」(日本性科学会,1994)です。セクシュアル・コンタクトとは、キスやオーラルセックス、裸で抱き合って寝るなど、当人同士がセックス考えている性行為全般を指すものなので、挿入がない=セックスレスというわけではありません。 つまり寝室事情もセックスレス防止の観点から考えると、挿入に限らずパートナーとのセクシャルコミュニケーションが取り続けられるスタイルが理想だと思われます。
距離が近いほうがいい?
セクシャルコミュニケーションが取りやすい環境となると、距離が近いほうがいいのではないかと思いますよね。同じ部屋・同じベッドで寝ていれば、したい時にキスもできるしハグもできる。セックスだってしたいと思ったらすぐに実行できるし、何よりも一緒にいられる安心感や幸福感がありますよね。その状態がずっと続くのであれば、できるだけ近くにいられる寝室環境を整えるのがいいかもしれません。 ただ理想通りにいかないのが夫婦生活。長い年月を一緒に過ごすなかで、逃れられないもの…それは『慣れ』です。パートナーとの生活に慣れることで安心感は得られますが、それに比例して、ときめきだったり「相手をもっと知りたい、もっと近づきたい」という思いが薄れていくことはとても多いです。セクシャルコミュニケーションも慣れてしまえばただのコミュニケーション…とならないように、やはりちょっとしたときめきの余地を残しておきたいものです。