日本のビジネスリーダーもITの備えに対して課題とジレンマを抱えている、キンドリル「日本版 Kyndryl Readiness Report 2024」を発表
キンドリルジャパン株式会社(以下、キンドリル)は12日、調査レポート「日本版Kyndryl Readiness Report 2024 - 明日への備えのパラドックス -」を発表した。 レポートは、2024年10月に発表された「Kyndryl Readiness Report 2024(以下、グローバル版)」の調査結果に加え、日本市場に焦点を置いて日本の傾向やグローバルとの比較を分析している。調査対象となった経営幹部および上級意思決定者は、グローバル版が3200人、日本版が300人。さらに、キンドリルのオープン統合デジタルビジネスプラットフォームであるKyndryl Bridgeから得られたデータを活用している。 レポートでは、グローバル版同様に、日本のビジネスリーダーもITの備えに対して課題とジレンマを抱えていることが浮き彫りになったとして、日本のリーダーにとって重要なポイントを挙げている。 日本のリーダーは技術革新、スキルギャップ、サイバー攻撃、政策や規制の変化といった主要なリスクに対する備えが大幅に不足していると報告している。スキルに関しては、リーダーの約半数が、技術の進歩とメインフレーム技術に関するスキル不足が進歩を妨げていると説明。サイバーセキュリティの脆弱性は、リーダーが最も懸念している外部リスクだとしている。 テクノロジーとイノベーションに対する準備の遅れについては、日本で最も準備が整っていないIT要素の1つである、AIにおいて顕著に示されていると説明。日本は、他国と比較してAI導入に対するスキルギャップの障壁が高く、生成AIとAIへの投資がグローバル平均と一致しているにも関わらず、同じレベルでプラスのROIを実現できておらず、データプライバシーの懸念やROIの課題など、AI導入に対するその他の障壁は、世界と同様だとしている。 また、日本のリーダーは、データセンターと物理的インフラが、外部リスクへの備えに関して最も遅れているIT分野であると報告している。リーダーの半数は、グローバル平均と同様に、耐用年数の経過したインフラについて懸念している。これらの懸念は、脆弱性に対処するためのモダナイゼーションが必要であることを強く示しているとしている。 さらに、日本のリーダーは、モダナイゼーションを積極的にリードしているというよりも、まだ初期段階にいると報告することが多い傾向にあり、このようなリーダーシップの不協和により、モダナイゼーションが遅れることがあると指摘する。日本のリーダーの68%が、モダナイゼーションの取り組みに意思決定へのサポートが必要だと報告しており、リソースの割り当てを巡り、ビジネス部門とテクノロジー部門のリーダー間で対立が存在し、組織を運営しながら変革を進めることが難しくなっているとしている。
クラウド Watch,三柳 英樹