「高尾山エリア」の穴場? すれ違いゼロの林道を抜け「堂所山」へ! 登山レポ
■広場より西の小下沢林道
前半部は車両が通行するため、一定の道幅が保たれ平坦だったが、後半部からは道幅が広くなったり狭くなったりして凹凸も出てくる。さらに2019年の台風の影響で道が大きく削れている箇所も今回の取材で散見された。 復旧作業は2019年から開始され、2023年半ばまで平日は通行止めで行われるなど、大規模な工事が行われた。これにより、林道の前半部は車が通行可能なほどに復旧され、路体決壊などなかったかのように歩きやすい。 しかし、利用者の少ない後半部は通行こそ可能だが、前半部のようにガードレールを設置するような大規模な復旧は行われなかったようだ。 だが、そのため後半部は整備された前半部よりもかえって野趣に富み、深山の雰囲気すらも感じられる。都心からさほど離れていない手軽なハイキングで、こういった雰囲気を味わえるのは貴重ではないだろうか。 とはいえ、後半部も北西方向の関場峠へ緩やかな登りの一本道。足元に注意し、鉄塔巡視路などの脇道へ間違えて侵入しなければ、道迷いの心配はないはずだ。
■関場峠から堂所山へ
小下沢林道が終わり、関場峠へ至る直前の道は緩やかな林道から一転し、つづら折りの登山道に変わる。このつづら折りを登りきると道標が現れ、北高尾山稜との岐路にあたる関場峠に到着だ。 関場峠から堂所山へは登山道に変わるので、足取りは少し慎重にした方がよいだろう。 上りと尾根歩きを繰り返し、堂所山の山頂を目指す道では林道とは違い、数人の登山者とすれ違った。中には林道から現れた筆者を見て驚かれた方もおり、少々立ち話をして紅葉や登山道の状況など情報交換をした。 堂所山の山頂には山名標識と三角点、そしてベンチが二つ設置されている。 残念ながら木立で展望はなく、高尾山山頂のように広々としているわけでもない。陣馬山への縦走の際には巻き道を使う方が多いのもうなずける。 しかし、静かな山の雰囲気を味わいたい筆者には非常に好ましく、山頂でゆっくりと休憩をすることにした。その間に現れた登山者は1人だけ。 人気でたくさんの登山者が行き交う首都圏自然歩道の真っただ中にあるとは思えない、ゆったりした静かな時間を過ごすことができた。