【ドラレコに映る犯人像】「僕はやっていません」繰り返す被告 捜査機関の頼みは「ドラレコ」 限られた証拠で迫られる判断「羽曳野殺人事件」判決へ
■「証明力のない証拠ばかり」と弁護人 判決は9月27日
しかし、弁護側はこうした検察の“ストーリー”に真っ向から反論している。 主任弁護人 伊賀興一弁護士:(検察は)客観的な痕跡・証拠があれば、もっと立証は簡単だった。何もないものだから、推測をしました。『推測通りなら彼はできたでしょう』という“可能性論”に立脚した。証明力のない証拠ばかり。 そもそもドライブレコーダーの映像は、顔の識別ができるような画質ではないと指摘。
■弁護側「カメラに映らない道も”住民の犯行説”否定
さらに、検察が「住民の犯行」と判断した根拠となる住宅街への侵入口は、カメラに映る3カ所のみという点についても、防犯カメラなどに映らずに出入りできる道があると反論している。 取材班が確かめてみると… 記者リポート:国道に面したこちらの建物の1階部分が、弁護側が示すカメラに映らない侵入口の1つです。確かにフェンスやシャッターなどがないので、こうして住宅街に通り抜けることができます」 検察は、法廷で弁護側が指摘したカメラに映らない道は認めたものの、「暗くて歩くには不自然」と反論。 実際に夜、歩いてみると… 記者リポート:明かりを消すと、確かにとても足元が見えにくく、走ったりするのは難しいですね。フェンス伝いに通り抜けるという感じでしょうか。 さらに弁護側が、検察が描いたストーリーの中でもひときわ大きな矛盾として指摘するのが… 主任弁護人 伊賀興一弁護士:事件を起こした後に家に帰ってこないといけない、彼が犯人なら。隣のセンサーライトが、(山本被告が)帰ってきたならつくはずなのに、ついていない。これは(検察の)立証の失敗なんです。 検察の立証で、山本被告が家から現場に向かった時に点灯したとされるセンサーライト。犯行現場に向かう時に点灯したならば、家に帰ってきた時にも点灯するはずですが、それは確認されていないのだ。 山本被告は、駐車場の平山さんを、タバコのポイ捨てをしないよう、自宅前で5分程度“見張っていた”ものの、すぐに家に戻ったと説明している。