『ジョゼと虎と魚たち』で共演の中川大志と見取り図が爆笑トーク!「M-1は震えながら観ていました」
公開直後から「3回も泣いた」、「あきらめない姿が心に響く!」、「勇気をもらった!」など多数の感動の声が寄せられ、心温まる作品として話題沸騰中のアニメーション映画『ジョゼと虎と魚たち』(公開中)。公開記念スペシャルサイトも展開中のMOVIE WALKER PRESSでは、主人公の鈴川恒夫役の中川大志、西田店長役の盛山晋太郎(見取り図)、駅員役のリリー(見取り図)にインタビュー!お互いの印象やアフレコ時のエピソード、本作のテーマ“夢”そして“絵”について語ってもらった。 【写真を見る】初対面とは思えない息の合ったかけ合いを披露してくれた中川大志と見取り図 ■「なにを言ってもツッコんでくださるのが、すごく心地良い」(中川) ――映画にも登場する“海遊館”で行われた大ヒット祈願イベントでリモート共演を果たしていますが、本日実際に会ってみた印象を教えてください。 盛山「(中川さんは)すごく素敵な方です。気楽にしゃべってくれるし、リモートで感じた倍、いや10倍20倍は爽やかだと思いました。もうすっかりなじんでしまって、おこがましいのですが、いまや“サンコイチ”な気分です」 中川「ありがとうございます!僕はお笑いがすごく好きで、前回のリモート共演の数日後がM-1(グランプリ2020)の決勝だったのですが、自分のことのように震えながら観ていました。すごく笑ったし、感動もしました。今日、ようやく初めて対面で会うことができて、すごくうれしいですし、イメージ通りの楽しい方たちでした」 盛山&リリー「ありがとうございます!」 中川「なにを言ってもツッコんでくださるのが、すごく心地良くて。イベントでは観客の皆さんも和んでくれて、すごくやりやすいだけでなく、心強かったです」 リリー「普段、大阪で芸人をやっていると、俳優さんやタレントさんにはなかなかお目にかかる機会がなくて。ほんまもんの男前を見た、これが本物だと再確認させていただきました」 盛山「会った瞬間、推し俳優は中川大志に代わりました(笑)」 中川「ありがとうございます!」 ■「大志くんの演技を参考に精進しておきます」(盛山) ――演じたキャラクターについてはいかがですか? 盛山「大志くん演じる恒夫のアルバイト先の西田店長は、人にやさしくて夢に向かう恒夫の背中を押してあげるというキャラクター。大阪弁を話して、一見気怠そうな雰囲気だけど、実はやさしいところが、僕に似ているんじゃないかと(笑)」 中川「恒夫に対して近寄りすぎず、突き放しすぎない。距離感が絶妙なところがいいですよね」 盛山「そうそう。演じた僕より西田店長の良さをわかっている大志くん。さすがですわ。駅員(役のリリー)はどうやねん!?」 リリー「俺?」 盛山「お前以外に、おらんやん!一言しかセリフないのに、なんで一緒にインタビュー受けてんねん」 リリー「声優は初挑戦でしたが、こんなに難しいんだと思いました。大志くんはうまいな、すごいなと思いました」 盛山「おまえが“大志くん”って呼ぶなや!くん付けやめろ」 中川「アハハハ」 リリー「とにかく勉強になりました。今後、アニメの見方が変わってくる気がします。声優目線で観るというか…」 盛山「たった一言しかセリフ言ってないのに偉そうに。お前とギャラ一緒やったら、信じられへんわ」 リリー「僕の方が一言の重みがあるから、ギャラ、多いかも知れん…」 中川「実は、駅員さんがリリーさんだって、観終わるまで全然気付きませんでした(笑)。それくらいなじんでいるという意味で。見取り図さんが出演されていると(アフレコした)後から聞いて、リリーさんはどこに出ていたのかなと思いながら観ていたんです。盛山さんは声ですぐにわかりました」 盛山「うれしい!役作りとかってどんなふうにやっているの?」 リリー「食べ物からかな?」 盛山「お前の役作り、いらんわ!食べ物って、ボクサーか」 中川「(笑)。恒夫は僕と同い年で、監督からも自分のしゃべり方に近いトーンにしてほしいというリクエストがあったので、リラックスして、自然体でやることを心がけました。ただ、自然体が一番難しいんです。力を抜きすぎると、映像とのバランスが悪くなります。アニメ的なセリフの表現、メリハリがあるので、その塩梅は試行錯誤しましたね」 盛山「大志くんの声を聞きながらアフレコしたんですが、次元が違うと思いました。初めてなので、勉強させてもらうつもりで挑みました。特徴的な声なのに、オファーをいただいたことはとてもありがたかったです。今後、いつお声がけいただいても対応できるように、大志くんの演技を参考に精進しておきます」 中川「盛山さんの声、すごく印象に残るし素敵です」 盛山「ほんまですか。めっちゃうれしいです」 中川「リリーさんは、舌打ちをさせたら日本一ですね」 リリー「舌打ちのシーンは一発OKでした」 盛山「当たり前や、誰でもできるわ!」 ■「“全集中”で魂を吹き込みました」(リリー) ――アフレコもなんだか楽しそうですね。 盛山「映像が出来上がっていない状態で声を入れると思っていなくて。あれが普通なんですか?」 中川「そういうことは多いかもしれませんね。今回は、僕もビジュアルのデザインは見せていただきましたが、映像がないところは想像しながら声をあてました」 盛山「大志くんのうまい演技をイヤホンで聞きながら、僕は失敗だらけでした。途中、何度も何度も同じセリフを言っていると、大阪弁のイントネーションもわからなくなってしまうほど。ゲシュタルト崩壊という感じで、苦戦しました」 ――リリーさんはいかがですか? 盛山「(さえぎって)あいつはないでしょ、一言だもん」 リリー「“全集中”で魂を吹き込みました」 ■「親戚のおじさんからも長文の感想が届いたんです」(盛山) ――公開直後から、スペシャルサイトにもたくさんのコメントが寄せられています。 中川「世の中がこのような状況だからこそ、未来に向かってがんばろうという気持ちになってもらえたらうれしいです。10代の方、恒夫やジョゼと同世代の方には、背中を押してくれるような作品になっていますし、もっと上の世代の方や原作が好きな方、実写版が好きな方にも、新しい『ジョゼ虎』の形を楽しんでいただきたいです」 盛山「僕のSNSにも『感動した』というコメントが届いていました。声優としての自分の出来栄えにはまだまだなところはありますが、作品が届いた感じがして素直にうれしいです。。M-1の時には何も言ってこなかったのに(笑)。49歳のおじさんが一人で観に行っても、かなり感動したみたいです」 リリー「僕のところにも、『駅員の一言で泣きました』というコメントが来ていましたね」 盛山「嘘つけ!」 リリー「一言の重みを感じていただけたのだと思います」 中川「たしかに(笑)」 ■「叶えたい夢は、いつか海外の現場に立ってみたい」(中川) ――本作のテーマである“夢”にちなみ、皆さんの叶えたい夢、もしくは叶えた夢を教えてください。 盛山「僕は、ずっと劇場に立って漫才ができる芸人でいたいです。師匠という文化を復活させたいです。僕自身は師匠にはなりませんが、劇場で末長く漫才ができたら幸せです」 リリー「3度目のM-1出場で、初めてネタを2本披露できたことですね。決勝に行けたことで、一つ夢を叶えました」 中川「僕は素敵な家族を作りたいです」 盛山「すばらしい!そして、美しい」 中川「両親がすごくアクティブで、キャンプとかいろいろな場所に連れて行ってくれました。それがきっかけで、僕もアウトドアが好きになりました。今度は僕が自分の子どもといろいろな場所に行って、釣りとか自分の趣味を教えたいです」 ――仕事での夢はありますか? 中川「叶ったのは、日本アカデミー賞でレッドカーペットを歩いたことです」 リリー「すごっ。アカデミー賞!」 盛山「次元が違うな」 中川「ありがたかったです。叶えたい夢は、いつか海外の現場に立ってみたいです」 盛山「まさに恒夫と一緒ですね。リンクしている」 中川「どんな役でも共感できるところを考え、自分と重ねていきます。そういう意味では感情移入もしやすく、演じやすかったです」 盛山「(西田店長に)自分を重ねてなかったな…」 中川「褒めていただけているのですが、真面目な話がしにくいです(笑)」 盛山「なんでも話してください。やりづらいのはすべてあいつのせいです」 リリー「なんでやねん!僕は声優魂を持って役に挑んで…」 盛山「大志くんのいい話の後に、茶々を入れんなや!」 リリー「俺のもいい話…」 中川「(盛山さんとリリーさんのやり取りを)ずっと見ていたい(笑)。おもしろすぎる!」 ■「次回はジョゼ役もできそうです」(リリー) ――中川さんも含めた3人のやり取り、いいですね。型ができ上がっている感じです。さて、本作では絵も重要な要素となっています。先日のイベントでも絵を披露されていましたね。リリーさんは美術の教員免許も持ってらっしゃいますよね。 中川「僕は小さい頃から絵を描いていて、小学校の時は図工の時間、中学、高校では美術の時間が好きでした。友だちやおじいちゃん、おばあちゃんの似顔絵とかもよく描いていました」 リリー「教員免許は持っているんですけど、絵の出展などの経験はありません。でも、絵に助けられた経験はあります。そういう意味で、ジョゼとは通じるところがあるので、次回はジョゼ役もできそうです。役と自分を重ね合わせて…」 盛山「ジョゼ役て!ほんまにもうしゃべんなや(笑)」 ――盛山さんも絵を描きますか? 盛山「僕も絵は大好きです。落書き程度ですが、描きますよ。ジョゼの絵はきめ細やかで、繊細で。映画としてだけでなく、絵の作品としてもすばらしいと思います。アニメーションの風景描写もすごくきれいですしね」 ■「僕の気持ちを尊重してくれる程よい距離感を保ってくれた」(中川) ――恒夫やジョゼは周囲の支えもあって、夢に向かって進んでいきます。誰かに支えられた経験、感謝している人を教えてください。 中川「両親ですね。10代の頃から仕事をしていたので、学校との両立に苦しんだ時期もありました。でも、僕の気持ちを尊重してくれる程よい距離感を保ってくれたので、自分の意思でやりたいようにやらせてもらった気がします。とても感謝しています」 盛山「いまも昔も、支えてくれているのは劇場です。劇場があるから漫才ができるし、借金で家賃が払えなければ勝手な寝泊まりも許してくれる。ありがたい存在です」 リリー「先輩です。仕事をはじめて5年目くらいまでは、本当にお金がなくて。吉本には先輩が後輩におごるというシステムがあるので、売れている兄さんを待ち伏せして、たくさんおごっていただきました。いっぱい助けてもらいました」 ――舞台は大阪ということで、見取り図のお2人が中川さんを連れて行きたいおすすめスポットを教えてください。 盛山「難波の千日前です。吉本の劇場や建物がたくさんあって、別名“吉本町”と呼ばれています。そのあたりを歩いて欲しいです」 中川「劇場やその周辺、すごく興味があります」 リリー「いつでも来てください、案内します」 中川「うれしいです。屋台のようなところで飲みたいです」 盛山「歌舞伎座裏、通称“座裏”とかがおすすめです。屋台のようなところも、おしゃれなところもあって…」 中川「裏原みたいな感じですか?いいですね。そういう雑多なところで飲んでみたいです」 盛山「大志くんが来るなら。良いところの個室を予約します(笑)!」 取材・文/タナカシノブ