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九州豪雨、インフラ途絶で住民自ら被災状況をネット発信

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週刊金曜日

 7月4日未明以降、九州地方を襲った豪雨による被害は本誌校了の7日時点で未だ終息の気配を見せていない。最初に大きな被害が生じた熊本県では、南部の球磨川流域にある特別養護老人ホームが水に浸かり入所者14人が亡くなるなど、7日朝までに49人が死亡。被害は球磨地方の中心・人吉市から周辺の農村部にかけての広範囲にわたっている。  山間部に位置する球磨川水系沿いの同地域ではかねてより人口減少や高齢化が進み、交通や通信などインフラの途絶は即座に住民の孤立へと繋がりやすい。支流の万江川沿いに広がる山江村で有機農業を営みつつ現在は村議会議員も務める松本佳久さん(69歳)によれば、同村でも万江川が決壊し、断水のほか電話も不通となるなど被害が拡大。いくつかの集落が孤立したほか、村役場の公式サイトも更新できなくなっているという。他方、同村では5日までに人的被害はなかったが、同日朝の新聞紙上ではそれゆえか被災地域地図で山江村の部分のみ白抜きで村名もなしで報じられるなど、村内の被害が外部に十分伝わらないもどかしさを感じているようだ。  そうした中で住民自身のSNSなどによる発信が目を引く。もともと山江村では25年ほど前から地元住民が映像やインターネットなどを駆使して地域情報を発信する「住民ディレクター」活動が盛んで、役場の元職員で現村長の内山慶治さん(64歳)や松本さんもその初期からのメンバーだ。  今回の災害でも内山さんは自らLINEなどで情報の収集・発信に努め、松本さんも村内の廃校舎を活用して自身が営む体験農園兼集会場「ケニアハウス」から、ライフライン情報のほか近隣の模様を映像・写真も交えて逐一報告中だ。今や災害情報発信の主役が住民自身だと実感させられるが、それがむしろ被害の深刻さを切実に訴えてくる辛さも募るところだ。 (岩本太郎・編集部、2020年7月10日号)

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