箱根駅伝V5へ万全エントリー青学大へ“調整力”で東海大が挑む
11月24日の1万メートル記録挑戦競技会では吉田圭太が28分27秒40、橋詰が28分28秒08と快走しているが、彼らの5000メートルベスト(13分50秒67と13分37秒75)や実績を考えると、出しても不思議はない記録。あくまでも箱根に向けた練習の中で出したもので、箱根につながる好タイムと言っていいだろう。 東洋大も青学大と同じように、この時期にトラックでタイムを狙うようなことはせずに、箱根に合わせている。今回は東海大もその流れに乗せた形だ。 そうなると少し心配なのが1万メートル記録挑戦競技会で存在感を示した駒大と帝京大だ。両校は全日本大学駅伝で4位と5位に入るなど、トップ3を追いかけるだけの戦力がある。しかし、ちょっとタイムが良すぎた。 駒大は山下一貴(3年)、伊東颯汰(2年)、加藤淳(2年)、片西景(4年)の4人が28分30秒台で走っている。帝京大も島貫温太(3年)、横井裕仁(4年)、遠藤大地(1年)の3人が28分30秒台をマークするなど大盛況だった。昨年のユニバーシアードハーフマラソンで金メダルを獲得した片西は実績十分だが、他の選手たちはちょっと記録が出すぎた感じがある。箱根に向けた「調整」で苦労するかもしれない。 本番まで残り3週間。正月決戦まで選手たちは記録会などのレースに出場することはない。箱根常連校になると、本番までの練習メニューはほぼ固定されている。その中で東海大だけは全日本大学駅伝後の流れを大きく変えた。“調整力”で、青学大にどこまで対抗できるのか注目したい。 (文責・酒井政人/スポーツライター)